はじめに
13インチのiPad Air M2を購入した。気の迷いなのか、必要だったのかは未だによくわかっていないのだが、買ったことの納得感を得るために、今まで使っていたiPad Air 4thとの比較をしてみようというのが今回の趣旨である。
この記事は10.2インチや11インチといった定番サイズのiPadから13インチへ買い替えを検討している人やiPadでの作業効率アップを考えている人を主な対象としている。
最初に断っておくと、この記事は長い。このブログは買ったものの値段に比例して長くなるので仕方ない。
iPad歴
iPadは長らく使っており、通算で10年ちかく使っている。一番最初に買ったiPadはたしか第2世代の無印だった気がする。これはあまり使い道がなくて使っていなかった。
本格的に使い出したのはiPad 第7世代でApple Pencilやキーボードといった付属品が廉価機種に対応したあたりだったと思う。
Apple PencilやSmart Keyboard Folioの使い勝手がよく、1年程度でiPad Air 4thに買い替えた。iPad Airからホームボタンがなくなったタイミングである。
その後、iPad mini 6thを購入し、iPad Air 4thとiPad mini 6thの2台体制で3年くらい過ごしたのである。
旧モデル(iPad Air 4th)の使用感
使用期間と用途
iPad Air 4thの発売は2020年10月なので、もう4年以上経っている。たしか発売と同時期くらいに買った記憶があるので、もう4年近く使っていることになる。3Dゲームとか動画編集とかはしないので、今でも快適に使用できる。動作が重いとか、性能面での不満はまったくない。
用途はざっくりいうと「スマホ以上PC未満の作業」が主体である。ブログを書いたり、少しExcelを編集したり、調べ物をしたりといったことが主な用途である。
細かいところだと映画を見るとか、新聞や雑誌を読むとかのiPad miniよりも画面の大きさが必要となるコンテンツ消費に使用していた。
よかった点
iPad Air 4thに限らずタブレットのいいところは、気軽にそこそこの作業ができることである。セルラーモデルを使っていたので、家でも外でもパッと取り出して使えるのが一番の利点である。
前述したとおり、動作が遅くなることはなく、ストレスなく作業できる。
買い替えのきっかけ
大きな不満はないが、小さな不満というか物足りなさを感じた。iPad Air 4thの11インチという画面サイズが小さいと感じることが多くなったのが大きな理由である。
11インチの画面サイズであれば、ストレスなく大抵のことはできるのだが、シングルタスクに限られる。例えば、調べ物をしつつブログを書こうとすると画面サイズが小さくて使いづらい。Split Viewで2つのアプリを同時に立ち上げると、画面が窮屈になってしまう。
Apple Pencilで手書きのブレストみたいなことをしていても手狭に感じるようになった。(これはやっているうちに欲が出てきた)
あと、転職した会社はiPadをBYODで業務利用できるので、仕事で使おうとすると11インチだとかなり小さい。iPad Air 4thは外部モニターにも対応していないので、画面の小ささというのはどうしようもない課題であった。
iPad Air M2から13インチが新たにラインナップされたので、画面の大きさと外部モニターへの出力を求めて、iPad Air M2の13インチを購入を決意したのである。
新モデル(iPad Air M2)の魅力
iPad Air 4thからiPad Air M2への買い替えにあたって魅力は大きく2点である。
M2チップによる性能向上
プロユースな使い方はしないので、チップの性能向上自体はどうでもいいと思っているのだが、M1から対応したステージマネージャーによるマルチウィンドウや外部モニターでの画面拡張は大きな魅力である。
Split Viewのような1画面を分割して2ウィンドウでアプリを起動することはできたが、PCのような複数ウィンドウを起動するのはステージマネージャーはM1以降のiPadじゃないとできない。M1以降のiPadは外部モニターでの画面拡張にも対応しており、iPadでさらに高度な作業をできるようになった。
13インチの利便性
ステージマネージャーによるマルチウィンドウは11インチだと利点が活かしきれないだろうと感じており、M1のiPad Airは見送ったのだが、M2からはiPad Airにも13インチがラインナップに加わった。
13インチとなることで機動力は下がるものの、高度な作業がやりやすくなった。Split Viewでも画面の広さは保たれるし、マルチウィンドウも使えるレベルである。
何かを読みながら、Apple Pencilで手書きのメモをするといったこともしやすくなり、「なにかをしながら」のタスクでストレスがかなり減った。
それ以外のこと
正直、13インチであること以外の魅力はない。チップの性能は向上しているけど、それ以外のスペックはほとんど変わっていない。11インチから11インチに買い替えるメリットはそんなにないと思っている。
特にiPad Airにニーズを求めるタイプの人は絵を描いたり、動画を編集したりといったことはあまりしないと思うので、4thから買い替える理由は画面サイズ以外にないのではないか。
使用感の比較
新旧で使用感を比較するとこんな感じである。スペックを比較したいのであれば、Apple公式サイトを見た方が正確だと思う。
項目 | iPad Air 4th | iPad Air M2 (13 inch) |
---|---|---|
パフォーマンス | 自分の用途(ブログ編集、Office、動画閲覧、2Dゲーム)は快適にできる。 | iPad Air 4thと体感的な違いは感じない。 |
ディスプレイのサイズ | シングルタスクは問題ないが、Split Viewでは手狭に感じる。 | Split View、マルチウィンドウともに使いやすい。いざとなったら外部モニターで拡張できる。 |
重さや持ち運び |
重さは460g。片手でも持てるが、長時間は疲れる。基本両手持ち。 Magic Keyboardをつけると1kg少し超えるくらいでノートPCくらいの重さになるが、小さいのでなんとかなる。 |
重さは617g。片手だと落としそうになるので、両手で持つ必要がある。 Magic Keyboardをつけると約1.3kgで、これより軽いノートPCはいくらでもある。 外で使うよりも、家で使うのがメインになる重さ。 |
日常利用の変化
iPad Air 4thからM2 13インチに買い替えた変化は大きいものもあれば小さいものもある。用途別に見ていこう。
ちなみに、寝転んで使うようなことは普段からしていない。育ちがいいからね。
作業効率の向上
ブログを書いたり、Officeアプリを使ったりは大きく改善した。特に顕著なのがSplit Viewである。左側はブラウザで資料を表示したり、ChatGPTで校正をしながら、左側にエディタで記事を書くようなことが快適にできるようになった。
これは狙い通りだったのだが、思ったよりも快適である。特に画面の縦横比として、普通の13インチよりも縦に長いので、表示できる情報量が多い。これは実際に使ってみないと体感できないところだろう。
エンタメ利用の快適さ
Amazon Prime VideoやDisney+で映画を見るのだが、11インチよりも画面が大きい分、没入感がある。とはいえ、前述したように画面が横に長いわけではないので、映像がそれほど大きくなるわけではない。11インチよりも視界に入る周囲の風景が減ったというのが正しいかもしれない。
読書関係は純粋に重い。およそ150gの差は大きい。読むのは雑誌や新聞といった読み物としてはライトなものなのでそれほど苦にならないとはいえ、快適さでいえば11インチの方が優れている。
クリエイティブ作業
絵を描いたりしないのでなんとも言えないのだが、手書きの領域が広いのはやはりアドバンテージである。基本的に座って作業することになるので、重さはそれほど気にならないだろう。
こういった作業は表示領域が広いというだけで、作業効率が上がるものだと思うので13インチは恩恵が大きいように思える。
メリットとデメリット
ここまでのメリットとデメリットをまとめると以下の通りである。
メリット
- 画面サイズが大きいので作業がしやすい
- 没入感が欲しくなる映画などのコンテンツが見やすい
- 外部モニターで画面拡張ができる(M1より前はミラーリングのみ)
デメリット
- 重いのでコーヒー片手に読書などには向いていない。スタンドが必要
- Magic Keyboardを含めるとおおよそ1.3kgあり、携帯性としてタブレットの域を超えている。
- アクセサリ類を買い替える必要がある。(ここが一番悩んだところ)
買い替えを考えている人へのアドバイス
俺のように買い替えを考える人への参考として、アドバイスをまとめめる。
どんな人におすすめか
まず、iPadでのオフィスワークをする人は買い替えを検討してもよいのではないだろうか。アプリの機能制約としての第画は無理だが、資料の修正や初稿としての作成をするような人は13インチのiPad Airは違いを明確に体感できるだろう。
あとはクリエイター系の人。そういう人はiPad AirよりもiPad Proの方がいいと思うが、11インチよりも13インチの方が作業領域が広い分、快適に創作活動に専念できるはずである。
時代背景として、ChatGPTやCopilotといった生成AIが今後のパートナーとなるだろう。生成AIのサポートアプリを立ち上げながら、メインのアプリで作業をするというような2 in 1な作業環境はさらに重要になると感じている。
一方で、エンタメ利用をメインに考えている人は13インチはお勧めできない。11インチは王道サイズなので素直に11インチでいいと思う。
買い替え時に考慮すべきポイント
どういう価値を求めるかが重要なポイントであることは間違いない。自分が今どう使っていて、今後どういう使い方をしたいのかが考慮すべきポイントだろう。俺の場合は普段の作業効率アップが主な目的である。
iPadの価格自体がそこそこ高いのだが、Apple PencilやMagic Keyboardといった純正アクセサリはさらに割高である。アクセサリによってiPadの使い勝手は大きく変わるので、純正にしろサードパーティにしろ、どういう周辺機器を揃え、何が妥協できるポイントかも考慮に入れる必要がある。
Apple Pencil
iPad Air M2からApple Pencil第2世代が非対応となり、Apple Pencil ProとApple Pencil (USB-C)のみの対応となった。Apple Pencil Proだけで2万円以上するので、使い方によってはApple Pencil (USB-C)かサードパーティ製のペンシルに移行するのもいいだろう。
iPadの魅力は手書きなので、なんらかのペンツールがあった方がいいと思う。個人的にはマグネットでのペアリングや充電に対応していないApple Pencil (USB-C)を買うくらいならサードパーティ製のペンシルでいいのでは?と感じている。
第2世代のApple Pencilを使っているのであれば、素直にProを買ってしまった方がいいと思う。
Magic Keyboard
11インチから11インチの乗り換えであればMagic Keyboardを含めたキーボード類の買い替えは不要だが、13インチになると端末の大きさ自体が変わるため、買い替えが必要になる。
文字入力しないのであればキーボードは不要だと思うが、13インチで考えうる用途だと文字入力は必要になると思う。
Magic Keyboardは使う人を選ぶキーボードなので必須ではない。打鍵感やトラックパッドの精度・感度は最高であるが、値段が高いし重いので誰もが買うものではないと思っている。
Apple Pencilと違い、機能だけ見れば唯一無二ではないので、PC用のBluetoothキーボードやマウスでも代替できる。
製品としての完成度とiPadとの親和性は唯一無二である。ただし、値段が高くて重い。このメリットとデメリットを等価交換だと感じる人はおそらく少数派だと思う。
実際に買い替えて
Apple PencilとMagic Keyboardのフル装備で揃えたのでトータルで20万円近くかかっている。MacBook Airくらいなら買える値段だし、Windows PCならしっかりとしたスペックのノートPCが買える値段である。
それに見合う価値があるか、と問われればイエスなのだが、あくまで俺にとっての「イエス」である。PCはあって、iPad miniもスマホもあるという環境で、それらの空白部分を無駄なく埋めるという意味では非常に有意義であった。
高い買い物になるので自分に何があって、何が足りないのかを棚卸ししてみてもよいのではないだろうか。
まとめ
13インチのiPad自体が初めてなのだが、早くも生活に馴染みつつある。良くも悪くも極端な端末なので「こういう使い道に適している」というようなツボを掴みやすい。
大きなiPadはiPad Proにしかなかったが、iPad Proは明らかにオーバースペックとなるので、13インチのiPad Airが出たことは素直に嬉しい。
結論としては、機動性を少し犠牲にしてでもiPadを使って作業効率を高めたい人にとっては、iPad Air M2 13インチは最適解に近い。機動性を重視するか、多用途(特にエンタメ利用)で使いたいなら11インチの方がいい。
今後に期待すること
一方でAirの名が付いているのにiPad Proの方が軽いというのはやはり疑問がある。iPad Airという以上、軽量化はしてもいいのではないか。
あと、アクセサリ類の互換性が低いのもどうにかしてほしい。流石にモデルチェンジのたびにアクセサリを総替えになるのは昨今のサスティナビリティとしてどうなの?という気がしてならない。
その他に買ったもの
NIMASOバリ楽BOX アンチグレアフィルム
アンチグレア(光沢なし)の液晶保護フィルムである。液晶保護フィルムはNIMASOのバリ楽BOXばかりを買っている。他の液晶保護フィルと比べると少し高いが、貼るのがすごく楽。箱に本体をセットして台紙を引っ張るだけで、ピッタリとフィルムを貼れる。画面が大きいタブレットは特に恩恵が大きい。
ESR iPad Air 13インチケース
Magic Keyboardはあるものの、キーボードなしで持ち歩く時用に購入した。質感は純正には若干及ばないものの、価格が1/3であることを考えると品質としてはかなりいい。マグネット吸着なので取り外しも簡単にでき、使い勝手は純正のケースに近い。
Apple Pencilがなくならないようにフラップがついているが、スタンドで使ったときに開いたフラップの行き場がなくだらしなく垂れ下がるのがあまり好きになれない。フタを背面にした時はフラップがマグネットで裏側にくっつくのでフラップが邪魔にならない。
ケースとしては軽いが300gはあるので、13インチのiPad Airと一緒に使うと1kg程度になるので片手持ちはやはりしんどいかな。
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