冬場の乾燥が年々しんどくなってくる。特に風呂上りなんて、皮膚が裂けるんじゃないかと思うくらいつっぱるようになってしまった。「若いころはこんなんじゃなかったなー」と思ったところで、時間は戻らないので全身のスキンケアを考えることにした。
最初はStarling Soap Co.のボディローションとボディバターにしようかと思ったが、公式サイトは国際発送してないし、他のショップもボディローションなどという微妙な立ち位置の商品は扱っていなかった。途方に暮れていたところ、見つけたのがMitchell’s Wool Fat(以下、MWF)である。
MWFはイギリスの石鹸メーカーで、クラシックシェービング界隈では有名なメーカーである。ここのシェービングソープをベスト・オブ・シェービングソープとする人も多い。
本来の目的であれば、ボディローションだけ買えばよかったのだが、なんだか欲が出てシェービングソープ、シャンプー、シャワージェル(日本的表現だとボディソープ)を一通り買ってしまったので、いろいろと書いてみようかと思う。
シェービングソープ
前述の通り、クラシックシェービング界隈では、最も評判が高いシェービングソープのひとつである。ファンキーなデザインの陶器製容器に入っている。価格の半分以上は容器代で、シェービングソープは容器のオマケみたいになっている。
MWFのシェービングソープは、ラノリンと獣脂をメインにしたハードソープだ。久しぶりの本格的なハードソープだったので、硬すぎてびっくりした。
使い心地
ハードソープだが、ラザリングはしやすく、硬すぎず柔らかすぎない丁度いいくらいの泡ができる。個人的にはもう少しもっちり感がほしいが、許容範囲内くらいだ。
最近はソープ本体に水が入らないよう、ソープを削り取ってボウルから泡立てているが、MWFは硬すぎて削り取るというより、えぐり取るような感じになってしまう。ボウルに擦りつけるのもなかなか難儀で、時間がかかってしまう。
保湿性や肌の保護力は高いので、シェービングソープとしてはとても優秀である。職人系のソープと比べると、泡が少しサラサラしているので、使っている最中は少し物足りない気がするのだが、剃り上がりの結果は職人系ソープと大差ないので満足できる。
ベスト・オブ・シェービングソープに挙がる理由もわかる。
香り
香りはそれほど特徴的なものはない。 あくまで石鹸というところに徹底している香りで、石鹸の香りと言う以外に表現方法が思い浮かばなない。特徴がない分、誰にでも受け入れられるとは思うが、香りを楽しみたいという人には物足りないと思う。
香りの強さもシェービングソープにしては弱い方だ。けれども、 海外製なので日本製の石鹸と比べると、香りは強いと感じるだろう。
主張が少ない香りなので、香りが強いのが苦手な人でも安心して使える。香りを求める人でも、アフターシェーブやフレグランスは選びやすいんじゃないかと思う。
シャンプー
「ついでにシャンプーも買うか。7ポンド程度だし!」と思って買ったのだが、意外とよかった。シャンプーは洗浄力が強すぎると頭が痒くなるので、どうなるかと思ったが、なんともなかった。
洗浄力については弱めな方だと思う。2度洗いがあまりいらないワックスを普段から使っているが、MWFのシャンプーに替えてからは2度洗いが基本になってしまった。皮脂を取り過ぎない程度がちょうどいいので、こんなものかと思う。
洗い上りはしっとりとしているが、人によってはコンディショナーとかはほしくなるかもしれない。ケラスターゼのような高級シャンプーのようにはならないので、それらへんはあまり期待しない方がいいだろう。
香りはシェービングソープと同じというわけではないが、シャンプーらしい香りで自然な香りではないかと思う。
シャワージェル
シャワージェルはわかりやすくいうとボディソープだ。体を洗うための液体石鹸という認識で間違いはない。バスタブに入れることで泡風呂ができるとパッケージには書いてあるが、泡風呂は浴槽の掃除が大変なのでやっていない。
シャワー用途ではスポンジを使え、と書いてあるので、通常の入浴であればスポンジを使うようだ。MWFに替える前は固形石鹸だったので、これを機会に豚毛のボディブラシに変更した。
シェービングソープの泡立ちを期待すると、少しがっかりするだろう。泡立ちが悪いわけではないが、なんだかイマイチという感じがする。シェービングソープと違い、泡を立てることが目的ではなく、洗浄が目的なのでこれは仕方がない部分だが、泡が立っていないとキレイになった気がしないは昭和脳だからだろうか。
洗い上りはしっとりとしているので、今回の要件にはマッチしていて満足している。香りは少し強めかもしれないが、やはり石鹸らしい香りなのでそれほど気にならないだろう。
ボディローション
長々と書いてきたが、これが今回のメインだ。ローションと書いてあるが、実際はバームに近く、全身に使うことができる。
個人差はあると思うが、ワンプッシュで両腕に使えるくらいの量が出てくる。全身に使うつもりで買ったので、これくらいの量が出てくるのは使いやすい。
保湿性は期待通りで、冬場の乾燥も乗り切ることができた。足首から脛にかけて乾燥で痒くなりやすかったのだが、このボディローションを使うようになってから乾燥で痒くなるということはなくなった。
塗った直後は少しべたつく感じがするが、すぐにサラッとするので非常に使いやすい。伸びがいいので素早く全身に塗ることができるのだが、全身に使うには少し容量が少ない気がする。500mlくらいほしいところだ。
今まで紹介してきた中では香りが強い。香りとしてはStirling Soap Co.のSharp Dressed Manに近く、クリーンな香りの中に草っぽい香りが混ざったような感じだ。もしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれない。
香りが強めなので、あえて無香料のボディローションも商品ラインナップに入っているのだろう。
まとめ
MWFのアイテムをいろいろ紹介した。リピートするとしたら、シャワージェルとボディローションだろう。今シーズン一番助けられた。シャンプーは可もなく不可もなしといったところで、こだわるならもっといいものが国内で手に入りそうだ。
シェービングソープは使うシーンを選ばないうえ、使い勝手もいいのでどんな人にも勧められるのだが、個人的には香りを楽しみたいのでやはり職人系ソープの方が好きだ。どちらかというと、シェービングソープはほどほどで香りは弱い方がいい、というようなスタイルの人に合っている。
国内での男性向けグルーミングアイテムは種類が少ないうえに妙に高かったりするのだが、MWFは比較的手を出しやすい価格なので、少しこだわってみたい人は買ってみるのもいいかもしれない。
コメント
はじめまして
MWFソープを愛用してます
容器が欲しくて買いましたが使い勝手がよく気に入ってます。
ここでは書かれていませんでしたが何しろ長持ちします。
そして保湿性が優れているので冬用のソープとして活躍してます
毎日使用しても半年ぐらいは保ちます
リフィールが効能の割に安いので自分の中のベストバイです
Gen.nsmさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
確かにMWFは保ちもいいですね。
使い切ったのでリピートしたいのですが、他のソープを先に使い切りたいので後回しになっています。
定番ソープなのでどこかで必ず買えるのも魅力です。