今回もヴィンテージ・ホルダーで、しかもまたAristocratなのだけど、今回はいつもと違い、再メッキ品である。GilletteのAristocratと言えば、このアメリカ製の1946-1947か1948-1950のことだ。Aristocrat自体はよく出回っており、珍しいものではないが、金メッキなので弱く、美品はわずかしか出回ってない。数が出回っているだけに、美品を探し出すのはなかなか根気がいる作業である。
根気よく探してはいたのだが、再メッキ品が80ドルだったので買ってしまった。ATTを50%引きで買って浮いた金はAristocratへと流れた。優秀な消費者であり、消費者の鑑だなぁ、俺は。
見た目
ハンドルはサテン仕上げ、ヘッドはミラー仕上げになっている。元の状態は知る由もないが、ほぼ新品である。よく見ると、深いダメージの痕跡がわずかに残っているが、目立つものではない。再メッキってすごいな、と思う。
初期のTTOなので、センターシャフトのノッチがない。年代の見分け方としては、ハンドルの上部と下部に滑り止めのローレットがないことで1946-1947年のモデルということがわかる。1948年以降のモデルはハンドルの上部にローレットが入り、デートコードが入るのは1951年モデルのW1のみだ。
重さは68gで、Super Speedより重いが、イギリス製Ariatocratよりは軽い。数字の差としてはわずかだが、持った時の重量感も少し物足りない感じがする。おそらく重量そのものよりも、重量のバランスがヘッド寄りというところもあるかと思う。全体が軽いというより、ハンドルが軽いという印象だ。
サイズ感としてはMerkur 34Cと同じくらいで、コンパクトにまとまっている。個人的にはこのサイズが一番取り回しがしやすくて好きだ。ノブがハンドルよりも少し太めになっているが、あまり気にならない。小指置き場だと勝手に認識している。
再メッキの仕様としては24カラットの金メッキで、オリジナル品よりも厚くメッキされている。オリジナルよりもメッキが丈夫になっているので、いちおうはスペックアップということになる。 ハンドルのメッキが少し甘いということで、アウトレット価格ではあったのだが、素人目にはどこが甘いのかさっぱりわからなかった。
剃り心地
以前にも書いたが、当たりが雑な感じがする。マイルドなのだが、Super Speedや他のTTOと比べると、フィードバックがやたらと強く、ジョリジョリというよりはバリバリという音を立てながら剃れていく。でも、マイルドでスムーズという不思議な感覚だ。
使用感としてはあまりGilletteという感じがしないのでおもしろい。感覚としてはRazoRockのBaby Smoothに近い。スイスイと剃れるわりに、剃ってる感覚が妙に大きく、 Gillette TTOのつもりで使うと、自分の予想と実際の感触に違和感があるのだが、Baby Smoothの仲間だと思うと、おもしろく使うことができた。
使クローズドバーのUS Aristocratについては以前書いた時とは印象が大きく違ってきている。 使い続けていると「おや、なんだかおもしろいな」という気分になってくる。
アングルのコントロールはかなり楽だ。Diplomatと形はほとんど同じだが、Aristocratの方が使いやすい。俺の場合は、イギリス製やオープンコームのAristocratから入ったので、予想と実際に感じるフィードバックとのギャップに慣れるのに時間が掛かってしまったのかもしれない。
まとめ
今回は再メッキ品ということで、状態はほぼ新品同様であった。やはりきれいな方が愛着が沸くということがわかった。
なんだかんだ言いながら、アメリカ製のAristocratもコツコツと集めてしまっている。ミント品の1948-1950 AristocratもeBayで買ってしまったので、ラインナップとしては残っているのはW1くらいだ。
イギリス製のAristocratは実用性としての違いがまとめられていたが、アメリカ製は見た目の違いばかりで、実用性という観点で何が違うのかよくわからない。なので、とりあえず試してるという感じだ。
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