なんだかよくわからないが、ようやく手に入れた感のあるAristocrat 1948-1950モデルである。ヘッドだけで判断したらDiplomatで、ハンドルだけ見てたら1947-1948モデルという少し風変りな個体だったりと、自業自得とはいえ、よくわからない苦労をした。
同じようなホルダーが5本目となったのだが、これで最後である。1951年モデルのW1もあるが、今回紹介する1948-1950モデルとだいたい同じだと勝手に結論付けた。1948-1950はDiplomatとだいたい同じなので、中間のW1もだいたい同じに違いない。これ以上は消耗戦なので、スラントにでも手を出した方が幸せになりそうな予感がする。
見た目
今回はeBayで手に入れた。かなり汚れがひどかったのだが、写真を見る限りはメッキの剥げはわずかだと踏んでスナイプ入札した。1947-1948を購入した直後で経済的な余裕がなかったのだが、50ドル程度で落札できたのはかなりラッキーだった。汚れがかなり写っていたので倦厭されたのも大きい。
届いてみるとヘッドは石鹸カスまみれで、ハンドルはローレットの間に黒ずみが詰まっていたが、メッキは完璧な状態だった。スクラビングバブルで入念に洗浄したところ、汚れはすべて落とすことができ、ミント品に生まれ変わった。
再メッキ品も美しいが、やはりオリジナルの金メッキの方が好きだ。写真だとわかりづらいが、金メッキに保護用のコーティングがされているため少しオレンジかかったゴールドなのだ。再メッキ品はまるっきりゴールドなので、オリジナルの方が味が出ている。
細部を見ると、ハンドルは下部にローレットが入っていない。第2世代と呼ばれるハンドルで、アメリカ製のAristocratはここらへんの違いで手っ取り早く判別できる。ドアを開閉するノブはハンドルに対して少し太めで、アメリカ製のAristocratで共通した作りだ。
ドアを開けるとセンターバーはノッチが付いており、TTOの後期モデルであることがわかる。このノッチがつき始めるのが1948年からで、Super Speedやイギリス製のGilletteもここへんからノッチがつき始める。
重さは68gで、イギリス製のAristocratと比べると軽めである。HDじゃないRocketと同じくらいだ。アメリカ製のAristocratはセンターバーがイギリス製よりも短く、ノブの作りも違うので重さにも差が出ている。アメリカ製はネジで止めているが、イギリス製はネジがなくノブとハンドルとセンターバーが噛み合って開閉を調整しているのだ。イギリス製TTOの方が実は手が込んでいるので、リペア系サービスの料金体系がアメリカ製と違ったりする。
ハイエンドモデルということもあり、全体的に美しくSuper SpeedやTechのようなマスプロダクト感が排除されており、ノブを始めローレットにも派手にならない程度の装飾感が施されている。やはりAristocratはヴィンテージの中でも別格の存在感がある。
使い心地
肌への当たりはマイルドで、1946-1947モデルよりも当たりがなめらかだ。粗削りな感覚はなくなり、もともと持っていたAristocratのイメージに近い。Super Speed化したといえば、そうかもしれないが、ある程度の重みがあるので安定感はSuper Speedよりもずっと上である。 そういった意味だと、使用感としてはDiplomatに近い。
アングルキープは求められるが、それほど厳しくはない。エフェクトアングルも見つけやすいのだが、ここらへんは単純に慣れているからかもしれない。Aristocratを使っていて、アングルで困ったことはないので、全般的にアングルは見つけやすいと思う。
剃り心地はスムーズで、マイルドなわりによく剃れるが、どちらかというと追い込みながら剃っていくタイプだ。追い込みは難しくないので、わりと簡単に肌を痛めずにBBSな仕上がりへ持っていける。
Gillette TTOらしいホルダーなので、 マイルドホルダー慣れしていれば、難なく使えるだろう。逆にアグレッシブ派だと少し使いづらいと感じるかもしれない。
まとめ
去年の今頃は「アメリカ製のAristocratはあまり興味がわかない」と言っていたわりに、結局はこのような体たらくとなった。モデル別の細かな違いは実はあまりネットでも知ることができなかったりするので、まぁ、よかったといえばよかったのかな。
Aristocratはこれでいったんお終いにして、現行ホルダーを試してみようかと思う。W1は一応残っているけど、安ければ狙ってみるというスタンスだ。
現行ホルダーは前々から興味がありつつ、ヴィンテージ優先にしていたスラントやステンレスホルダーかなと思っている。Gilletteばっかり使っていたせいか、最近はスラントの使い方を完璧に忘れているので、少しリハビリしないといけない。
コメント