
ヴィンテージの両刃ホルダーはだいたい満足し、あまり買う気はないのだが、今回紹介するイギリス製のRed Tipだけはずっと狙っていた。半年ほどeBayを監視してようやく出品される程度には出玉が少ない。わずかなチャンスを狙うしかないのはなかなかしんどいものがある。
今回は完全にコレクターズアイテムであることを先に断っておく。使い勝手としてはアメリカ製のRed Tipと大きな違いはないが、わずかにアグレッシブだ。入手難易度や値段といったところを考えると、アメリカ製のRed Tipの方が実用性がある。100ドルオーバーの予算を組んでイギリス製のRed Tip狙うなら、再メッキ品のアメリカ製でもよくない?と感じる。
そもそも上位モデルのAristocratを持っているのに、下位モデルのRocketに手を出す必要性などないのだ。酔狂としか言いようがない。今回紹介するのは、そんな感じのホルダーである。
見た目
イギリス製のRed Tipには2種類あり、アメリカ製と形が変わらないSuper Speedタイプものと、イギリス製の特徴であるドアの開閉で全長が伸び縮みするRocketタイプのものだ。今回手に入れたのは後者で、Rocketの作りを踏襲したRed Tipである。
発売は1950年代の終わりで、はっきりした年代は調べたけどよくわからなかった。アメリカ製のRed Tipは1955年で、イギリス製はSuper Speedタイプがアメリカ製と同時期なので、おそらくRocketタイプは1958年前後じゃないかと推測している。
手に入れたものの状態はまぁまぁというところ。ノブのペイントは剥がれているが、メッキはすべて無事だ。全体としては小傷が少々といったところだが、それほど目立つものではなかった。入手難易度の関係でそれほど贅沢は言っていられなかったので、止む無し。
基本的な形はアメリカ製を踏襲している。ハンドルは四角を並べた装飾が滑り止めになっている。ノブは赤、というよりあずき色の塗料でペイントされている。違いはノブ周りで、イギリス製TTOの特徴であるドアの開閉時に伸び縮みする。
重さは68gほどでアメリカ製よりもわずかに(2~4g程度)重いのだが、重心はRocketの方が下にあるので実際の重さよりも少し重く感じる。重量感としては使いやすいホルダーである。
ベースプレートの裏側にはIIIの刻印があり、どうやらアグレッシブさを表しているらしい。ちなみに、普通のRocketがII、Blue TipはIが刻印されている。製造時に間違えないように刻印したのだと思うが、本当の意図はよくわからない。結果的にはアグレッシブさを表すことには間違いなさそうだ。
外観はAristocratのような華やかさはないが、完全なマスプロダクトという感じでもなく親近感がある。やはりノブに色がついてるところが金属感を和らげるのだろう。Gillette TTOの中でも気に入っているデザインである。





使い心地
Red Tipはアジャスタブルを除くとGilletteの中で最もアグレッシブなホルダーだと言われている。Old Typeのような最古のホルダーを持っていないので、経験値から最もアグレッシブだとは断言できないが、少なくともNEWの仲間であるNo.77よりは肌への当たりは強い。
MuhleのR41ほどアグレッシブではないが、Gilletteにしては当たりが強めで、現行品だとミディアム・アグレッシブあたりかと思う。7 O’clockの黄色あたりと組み合わせると、かなりキツめな肌当たりになる。
基本的にはそこそこアグレッシブながら、スムーズに剃れし、アングルもあまり気にする必要もないので、使いやすいホルダーだ。当たりが強い分、深剃りについては全く問題ないだろう。
ただ、イギリス製の方がアメリカ製よりも心持ちアグレッシブに感じる。アメリカ製のRed Tipと7 O’clock 黄色を組み合わせても、それほどキツいとは感じなかったが、イギリス製は少しキツいと感じた。
冒頭でも書いたが、アメリカ製との違いはそのくらいで、差らしい差はあまりない。実用性でいうと、イギリス製のRed Tipである必要はないだろう。
まとめ
アグレッシブなホルダーであえて値段が高めのヴィンテージを狙う必要があるかというと、微妙なところである。同じくらいのアグレッシブさであれば、現行品でも優秀なホルダーがある上、AC系の片刃の方が使いやすい。
Red Tip自体は使いやすく、リペアや再メッキされたものも多く出ている。予算100ドルで美品を手に入られるし、30ドル程度でも使える個体が手に入るので、お手軽なところは大きなおすすめポイントである。
そういったメリットを犠牲にしてイギリス製のRed Tipに手を出すのは、実用性としてあまり賢い選択だとは思わない。
コメント
いつもいろんな記事楽しく読ませていただいております。
今回はイギリスRedTipのレポートありがとうございます、大変参考になりました。
最近ebayに出たものだと私も入札していたかも知れませんw
これの存在を知って憧れていたのですが、今回の内容を読むとよっぽどのコレクターでなければ…ですね。
この記事で今後目を三角にして狙う意欲がかなり減りました、ありがとうございますww
またRedTipにお金をかけるならロジウムなどでリプレートされたものを購入したほうが、実用面での満足感は高いというのも頷ける話です。(実際そのうち欲しい)
今後もソープやRazorなどの記事楽しみにしております。
来月発売予定のColonialRazorのDEの感想もいずれ是非。
世良田三四郎さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
返信できずに申し訳ありません。
Rocket Red Tipはなんだかんだ言いつつ、ちょくちょく使っているのですが、
感想はこの記事を書いた時からそんなに変わってないです。
以前、EtsyにUS Red Tipのロジウムメッキでノブ部分が金メッキのカスタム品が出ていたのですが、
モタモタしていたら売り切れてしまいました。
Red Tipは王道から外れたカスタム品でも絵になるので、そういった楽しみ方の方がおもしろいかもしれません。
ColonialのSilversmithはプレオーダーしたので、届くのは8月中旬頃になりそうです。