Gillette Aristocrat No.15 (オープンコーム)

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イギリス製のAristocrat第四弾は、オープンコームのNo.15だ。TTOの最初期にあたるシリーズである。年代としては1938年頃なので製造から80年近く経っている。オープンコームのAristocratはいくつか種類があるが、プレートやケースが違うだけですべて同一である。ただ、ナンバーなしの初代Aristocratだけはセンターシャフトの形状が少しだけ異なる。

このオープンコームのAristocratはイギリス製もアメリカ製も同じものだという話もあるが、実際に使い比べてみるとわずかに違いはあった。ただ、ベースプレート以外に外見上の違いがないことは確かである。

Gillette Aristocrat 1936
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今回手に入れたAristocratは予算上の関係もあり、状態はあまりよくない。使用上は問題ないがドアがピッタリと閉まらないようだ。あと、ロジウムメッキはかなり剥げている。こんな状態でもeBayで落札できた入札額は、輸入消費税がかからないギリギリのあたりである。

見た目

ハンドルのメッキはほとんど剥がれているが、本来はロジウムメッキである。実はこれでもかなりキレイになった方で、手元に来たときは黒ずみや緑青がたくさんており、石鹸カスもかなりついていたのだ。クリーニングしてみると、ハンドルの上部やノブの部分にはロジウムらしさが残っていた。

最大の特徴はTTOにしてオープンコームというところだろう。ヘッドの形状としてはかなり珍しいものだ。

オープンコームのTTOは3ピースのオープンコームやその後のクローズドバーに比べると製造されていた期間が短い。初代のUS Aristocratが誕生した1934年からPopularの1940年までの間しか製造されいないので、Gilletteの中でも数が少ない。

ベースプレートはフラットタイプで、ドアを閉じてもセンターシャフトが飛び出さない。No.21と同じようにセンターシャフトの先端には窪みがないノーノッチドである。ここらへんはNo.21と変わらないので、No.21がオープンコームをクローズドバーに移行しただけというのがよくわかる。

Gillette Aristocrat No.21 もしくはNo.15 Australian Set
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ハンドルを見ると、初期型のAristocratなので、ドアを開閉しても全長は変化しない。ローレットは初期から後期まで一貫しており、手になじみ滑りにくい。ハンドル自体の長さは少し長めに見えるかもしれないが、No.66やMerkur 34Cとそれほど変わらないサイズだ。ヘッドを入れた全長も34Cと変わらないので、サイズ感は想像しやすいだろう。

使い心地

結論から書くと、このブログで紹介した両刃ホルダーの中でも最高峰の剃り心地である。

肌への当たりはマイルドでスムーズに剃れるが、しっかりと剃れる。アグレッシブさだけだと、アジャスタブルの2~3くらいだろう。

フィードバックは繊細ではあるが、手ごたえを感じる程度にはしっかりしている。No.66はフィードバックがほとんどないほどにスルスルと剃れていくホルダーなので、No.66との大きな違いはフィードバックの鮮明さだろう。

このくらいのマイルドさだとアングルキープが厳しかったりするのだが、そのようなことは全然ない。おそらくアングルは厳しめなのだろうが、ヘッドが肌に吸い付くような感覚なのだ。アングルキープの優しさ、簡単さだけだと、最も近いのはRazoRockのBaby Smoothである。

RazoRock: Baby Smooth
古いバージョンのBaby Smoothです。新しいバージョンはマイナーチェンジされていますが、使用感に関わる仕様は変更されていません。RazoRockのMambaを買ったついで、つい欲しくなってしまい買ったのが同じくRazoR...

重さも77gで十分な重量感があるので、楽に使うことができる。重心のバランスは心持ちハンドルに寄っているが、それほど気になるものではない。 これを超える使い心地のホルダーは数が少ないはずだ。個人的にはベスト3に確実に入る。

まとめ

実は、今回紹介したNo.15、というかオープンコームのAristocratは最も憧れていたホルダーだ。クラシックシェービングを始めてから先人のブログを読み漁った中で、最も強烈な印象を受けたのがオープンコームのAristocratなのだ。

使い心地をいろいろと想像して期待していたのだが、期待をまったく裏切らない使い心地であった。「そんなホルダーがこの世にあるわけない」という疑心もあったが、実際に使ってみて、その疑心は完全に払拭した。

というわけで、なるべく客観的に書いているつもりだが、もしかしたら「憧れバイアス」のようなものがかかっており、もともとあった期待感を含んだ記事になっているかもしれない。趣味の道具なんていうものは、持っていた期待感も含めての愛着なので、それでよいと思えなくもない。

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Gillette Aristocrat No.15

9.3

使いやすさ

10.0/10

デザイン

10.0/10

快適さ

10.0/10

深剃りのしやすさ

9.5/10

価格

7.0/10

Pros

  • マイルドで普段使いしやすい
  • コントロールしやすい
  • バランスがよく使いやす

Cons

  • ヴィンテージ品で価格が一定ではない。
  • 出玉がやや少ない

コメント

  1. R.G.Y より:

    毎回、アップされる記事を楽しまながら、参考にさせてもらってます。

    私も両刃を使い出してから、色々なサイトを読み漁りましたが、やはりGilletteのTTOのAristocratを狙っています。

    初代は1934年からだと思いますが、1937年以降は同じGilletのTTOのAristocratでもsheratonやsenatorがあると思いますが、初代との違いは持ち手のハンドル部分だけなんでしょうか?
    明らかにハンドルのローレットが違うのはわかるのですが、ハンドルの長さや全体の重量も異なるのでしょうか?

    ご存知ですか?

    • suzuki より:

      R.G.Yさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      Sheraton/SenatorとAristocratは重量が違います。
      Sheraton/Senatorは55gくらいで、Aristocratよりも20g近く軽いです。
      ヘッドは同じようですが、この重量の違いは使い心地にはかなり影響しそうですね。

  2. R.G.Y より:

    ご教示ありがとうございます。

    sheratonやsenatorの方が価格的に安価なので、少し悩んでいたのですが重量がやはり重い方が私は好みなので、狙い続けてみたいです。

    非常に参考になる情報ありがとうございます。