以前紹介したYaQiブラシのシルバーチップと同時に2バンドのアナグマ毛のブラシも購入した。サイズはシルバーチップと同じく、やや大きめの24mmである。
人工毛の評判がいいのだが、YaQiがブラシメーカーとしてどんなものなのか知りたかったので今回は天然毛しか注文していない。天然毛がよければ人工毛の方もいいものを作っていると判断できるはずだと思っている。
ノット
2バンドなので根元の黒が目立ち、毛先が白くなっている。一般的にはシルバーチップよりもコシがあり、ベストバジャーよりも柔らかいとされている。ここらへんのグレードのつけ方はいわゆる「当社比」みたなところがあるので、あまり信用はしていない。
少し大ぶりな24mmなのでやはり迫力がある。以前、Maggard Razorsの2バンドを紹介したが、2mm違うだけで印象がかなり変わる。Maggard Razorsの22mm自体は小ぶりというわけではないのだが、並べると存在感がかなり薄くなる。
抜け毛はほとんどないが、ブレイクインのときに2~3本抜けた記憶がある。シルバーチップと同様、この価格にしては良い品質ではないかと思う。ブラシにはあまり興味がないので、高級ブラシと比べることはできないが、普通に使う分には問題ないレベルだ。
使い心地
シルバーチップとは違い、全体的しっかりとしたコシがある。肌に当てた時に弾力のある感触だが、人工毛のように跳ねるような感じではなく、ゆっくりと押し戻されるような感触だ。
泡立ちは申し分ない。ソープの充填は楽にできるし、ブラシ自体の肌触りも悪くないので、値段の割には良いパフォーマンスを発揮してくれる。
一般的には柔らかさがブラシの評価を左右する基準となるが、個人的にはこのくらいのコシがあってもいいのではないかと思う。柔らか過ぎると頼りない感じがするので、やや弾力を残すくらいがちょうどいいと感じる。
ハンドルは少し短くずんぐりしているが、持ちやすく作られている。ハンドル自体に重みがあり、写真で見るチープさとはまったく違う印象を持った。
トータルで見てると、ほどよいコシがあり、泡立ちやすく、バランスがいいのでとても使いやすい。個人的には気に入っており、シルバーチップよりも好きなのだが、一般的に見るとシルバーチップの方がいいだろう。
シルバーチップが30ドル、2バンドが20ドルでその差額は10ドルしかない。普通に考えたらシルバーチップを選ぶべきだ。2バンドで24mmであれば十分にお買い得ではあるが、シルバーチップに比べると霞んでしまう。
まとめ
こういったよくできたものに触れると「中国製だからダメ」という時代は終わったのではないかと思う。よく考えれば世界中のほとんどのものなメイド・イン・チャイナである。有名メーカーの下請けでやってきた人々が、そこで培った技術を活かして自社製品を製造するというのは理に適っている。いつかメイド・イン・チャイナが汚名を返上して、1つのブランドになる日が来るのかもしれない。
けれども、やはりデザインというところでは今一歩だ。YaQiブラシのショップを眺めるたびに「もう少しハンドルのデザインはどうにかならんのか」と思う。美的な部分についてはすでに工業国を卒業したアメリカやヨーロッパには遠く及ばないところがある。
ブラシにはそれほどこだわりがないので、デザインの部分は気にならないのだが、どうしても心のどこかに引っかかってしまう。
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