イギリス製のAristocratだ。今回はとうとうBRIT.PAT.430030のAristocratを購入した。40年代のBritish Aristocratはヤフオクにはほとんど出回らないので、今回はeBayで購入した。状態は悪いが、Buy It Now(即決)で7000円くらいだったのだ。この値段ならリプレートに出したとしても、安く買えたのではないかと思う。美品であれば2万円は余裕で超える。
実はボックス付きだったのだが、No.15のボックスに入っていたので、実はNo.21ではなくNo.15 Australian Setかもしれない。ここらへんはもはやわからないので、売手の言うことを信じてNo.21ということにしている。
年代としては1948年製なので、もはや70年前の製品である。メッキは剥げているが、機能はちゃんとしており、扉はちゃんと開閉でき、ガードバーの歪みもない。自分の年齢の倍近い年数を経た製品が手元にあり、普通に使えているというのは何とも不思議な気分になる。
見た目
もはやメッキはボロボロなので、そこらへんは触れないで話を進める。
No.21で特徴的なのはノブの部分だ。イギリス製のクローズドバーが採用されたAristocratはノブを回すと全長が変化するのだが、このNo.21は全長が変化せず扉が開いた状態でもハンドルの長さが変わらない。クローズドバーで扉を開いても全長が変わらないAristocratはNo.21だけである。これ以降のクローズドバーは全長が変化するタイプなので、オープンコームからクローズドバーへ移り変わった最初のAristocratだと言える。
ヘッドの方を見ると、センターシャフトがドアから飛び出していない。また、センターシャフトは、先端に窪みがない。これはノーノッチド(No notched)と呼ばれるタイプだ。
ベースプレートに菱形の窪みはなく、真っ平な形をしている。BRIT.PAT.430030の刻印がついた個体はすべてこの特徴である。これよりあとのPatent PendingやBRIT.PAT.694093になると、ベースプレートに菱形の窪みが入り、見慣れた(?)Gilletteの姿になる。
スケールがぶっ壊れているので実際に測れないが、重さは72gと言われている。持つとほどよい重量感があり、全体的にバランスの取れた重みを感じることができる。メッキが剥げかかっているので、見た目は悪いが全体的な質の良さは窺える。
使い心地
ヴィンテージGilletteはなんだかんだ言いつつマイルドであるが、No.21は現代のホルダーと比べてもそこそこアグレッシブである。所詮はヴィンテージGilletteだと高をくくっていたのだが、使ってみると意外と肌への当たりが強くて驚いた。アジャスタブルで6くらいの感触はだろうか。Merkur 34Cよりは確実にアグレッシブだ。
個人的にはマイルド過ぎずアグレッシブ過ぎず、中庸といったところだ。油断さえしなければ、日常使いできる。
重量感がありバランスがいいので、楽に使うことができるのはAristocratの妙であろう。ややアグレッシブなところはあるが、スムーズに剃れるのもポイントが高い。肌への当たりが強めなのでNo.66と違って、アングルキープを何も考えずに剃ってもちゃんと剃れる。
ヘッドはやや厚めだが、個人的にはまったく気にならない。しっかり剃れるし、使い心地は実に快適である。ただ、少なくともマイルドではないので追い込み過ぎると、肌がヒリヒリしてくる。ここらへんは替刃で調整できる範囲だと思う。追い込むときはAstra、追い込まない時はPolsilverと替刃を使い分けるようにしている。
まとめ
BRIT.PAT.430030のAristocratはずっと欲しかったので、手に入れることができて本当に嬉しい。あとはNo.15あたりのオープンコームとBritish Aristocratの頂点と言われるNo.16が目下の目標でだったが、つい先日、状態は悪いがNo.15オープンコームを落札したばかりなので、No.16を虎視眈々と狙っている。
今回のものは状態がよくないので、いつかリプレート(再メッキ)したいと思っている。Fatboyのようにガンコートをしようかとも思ったのだが、British Aristocratである以上、ロジウムメッキに拘りたいのだ。最高の状態でできる限り長く使い続けるのがヴィンテージを手にした者の務めなんじゃないかと、最近は思うようになった。
コメント
どうもご無沙汰しております。
とうとうNO15を手に入れられたのですね!
私はpearlのttoのocを使っていますが、かなりアグレッシブで、NO15とは全く別物だと思います 笑
NO16の記事も楽しみにしております。
Twitterフォローありがとうございます!
ダイナマイト木戸で毎日つまらない髭剃り記録を書いてるだけですが、よろしくお願いします。
ギータカさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
先月くらいからAristocrat祭りみたいなことになっており、
この後はNo.15, USA Late 40, No.16と立て続けにAristocratの記事になりそうです。
PearlのTTO OCは使ったことないのですが、アグレッシブで有名ですよね。
そのせいか、OC = アグレッシブみたいな印象があります。
ギータカさんのツイート楽しみにしてますので、
Twitterの方でもよろしくお願いします。
ご無沙汰してます。NO.58は重さは最高なのですが、やはりもうちょっと太いハンドルの方がいいなと思い自分もこれらを入手する為探しているのですが、中々見つけることができません。確立を上げる為には毎日ヤフオクやらebayやらに出品されてないかを覗くより他ないんですかね?
ebayで検索する際のキーワードもここのブログを参考に”gillette british”や”gillette uk”、”Gillette Aristocrat No 数字”等のキーワードで検索するものの中々ヒットしません…よろしければどんなキーワードで検索されているかを教えていただけたら幸いです。
後、NO.58入手後の後日談として、その約1ヵ月後ぐらいにヤフオクにNO.66が出品されてるのを偶然にも発見しましたが、USA AristocratとNO.58に金つぎ込んだ直後だったので入札は自重しました。「なんで後1ヵ月待たなかったんだ」と当時の自分の選択を後悔もしましたが、結局2万近い金額で落札されたのを見て「当時6千円ぐらいの金額で行けると思ってた自分にはどの道無理だったのだ」と強引に自分を納得させました…
KIDさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
eBayはアプリで検索条件を保存してチェックしていました。
保存しておくと、未チェックのものだけを表示してくれるで便利でした。
検索キーワードは
gillette aristocrat
gillette england
gillette british
gillette 430030
の4つだけです。
「これを見た人はこれも見てます」みたいなサジェストにひょっこり現れることもあるので、値段が高かったりしても一応、覗いてみるといいかもしれません。
あとはEtsyのショップにいくつかヴィンテージの両刃ホルダーを扱っているショップがあり、たまにAristocratが入荷します。
あとは、出るときと出ないときで波があるので、地道に待つしかないです。
出たらeBayのスナイプツールで予算限界まで入札すると落札しやすいです。
アプリという言葉で恐らくスマホからだろうと推測しますが、当方PCからなのでスマホアプリ関連はよく分かりません。
また、eBayのスナイプツールというと
GIXEN
https://www.gixen.com/index.php
ぐらいしか自分は知らないのですが、ebayの使い方をググるとヤフオクのように自動入札が「出来る」としてあるものと「出来ない」としてあるものを見かけました。どちらが本当かは分かりませんが、仮に出来るとした場合、上記のような外部ツールはいらないんじゃないかと自分は解釈していたのですが、ひょっとしてその解釈は間違っているのでしょうか?
KIDさん、コメントありがとうございます。
言葉足らずでしたがeBayのスマホアプリです。
私はPCでeBayを使わないので、PCからの操作はわからないです。すみません。
スナイプツールはGIXENです。
eBayにもヤフオクと同じように自動入札があります。
あえてツールを使っているのは、事前に予算限界の入札をしても確実に更新されるからです。
競争率が高い商品は、終了30分前あたりの最高値を更新してから、競り合いの始まりになるので、
相場通りの事前入札は値を吊り上げるだけで効果がないのです。
ギリギリまで入札しないで終了間際で入札した方が、落札する確率が高いです。
すいません最近忙しくて返信が遅れてしまいました。
なるほどGIXEN使うのにはそんな理由が、後Etsyは全くのノーマークでした。
覗いてみたところ、gillette hd 5000を始め程度の良さそうなold gilletteが多数出品されていたので(値段は1~2万円台と高かったですが)、これからはちょくちょく覗いてみようと思います。