Gillette Aristocrat No.58 (German Set)

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念願のイギリス製Aristocratを手に入れることができた。No.16や22あたりの古いのを狙っていたのだが、No.58がヤフオクに安く出てたのでそれを落札した。

いろいろなNo.58

Gillette Aristocrat No.58にはいくつかバリエーションがあり、なかなかめんどくさいホルダーである。オリジナルはエリザベス2世の戴冠を記念したCoronation Setで、その後にいくつかのバリエーションが出た。Coronation SetはNo.58の他、No.66とTechのセットが同時に出ている。

No.58を時系列に並べると以下のようになる。

刻印 重さ 素材
1953 Patent Pending 34g アルミ
1955 Brit.Pat.694 093 68g 真鍮+ニッケルプレート
1956 Brit.Pat.694 093 68g
1959 Brit.Pat.694 093 II 70g

刻印である程度見分けられるので楽である。1955年製と1956年製はケースのベルトループがあるかないかの違いしかなく、本体は同じである。アルミ製を避けるならPatent Pendingは避けた方がいい。

今回手に入れたものは説明には1956年製とあったが、刻印から見て1959年製のGerman Setだ。

見た目

イギリス製のAristocratを見分けるのは至難の技であるが、No.58は紋様の筋が縦に入ってるのですぐに見分けることができる。

全体的に美しく惚れ惚れする外観だ。ハンドルの紋様は美しさだけでなく、滑り止めの役割もキチンと果たしている。見た目より指に食い込んでくるので、見た目と持った時の感触にギャップがある。

全体的に小振りに感じるが重さは70gあり、Merkur 34Cよりも少し軽いくらいだ。34Cのようなゴツさがないので意外にずっしりくる。

美品を手に入れたこともあり、ニッケルプレートは美しくピカピカである。明かりに照らすとくすみがあるが、目立たないのでそのままにしている。気になったらピカールで磨けばいい。

今回はケース付きであるが、ケースの方はあまり興味がない。ケースの外側はきれいだが、内側の方は相応の黄ばみがある。替刃も付いているが、50年以上前の替刃を使う気にはなれないので、ケースの中にしまっている。

剃り心地

イギリス製のGilletteはアメリカ製のものよりアグレッシブだと言われているが、現行ホルダーと比較するとやはりマイルドである。肌への当たりはMühle R89と同じか少し弱いくらいで、Adjustableで3から4の間といったところだろう。Gillette Super Speedよりはややアグレッシブではある。

アングルキープは難しくなく簡単に使うことができる上、非常に滑らかに剃れる。しつこく追い込むこともなく剃り上がるので、現行ホルダーでもこのレベルはなかなか見つからないだろう。すごく優秀なホルダーだ。

ホルダー自体に重量感があるのも良い。ずっしりとした重みで気を使わないで剃ることができる。使いやすさでいうと、Merkur 34Cに近いものがある。

替刃は肌への当たりがキツめのものを選んだ方が好みである。ホルダー自体の滑らかさにフィードバックの強さが乗り快適な剃り心地になる。

まとめ

ずっと前から欲しかったホルダーで、ようやく手に入れたこともあるかもしれないが、マイルドホルダーの中ではいちばんお気に入りのホルダーかもしれない。

同じマイルドホルダーにカテゴライズされるSuper Speedの特徴をそのままにアングルの有効範囲を広くしたようなホルダーである。Super Speedも良いホルダーではあるが、アングルの有効範囲はかなり狭い。一方でNo.58のアングルはかなり広いのだ。Aristocratがハイエンドモデルであることの証だろう。

イギリス製のAristocratはもう少し欲しいと思っている。No.15とNo.16は是非、手に入れたいところだ。

コメント

  1. KID より:

    初めまして、元々Gillette HDを狙ってたのですが、この記事を見てNO.58もいいなとなり(ebayは過去一回しか利用してなくて、未だに多少の不安もあったので)、ヤフオクで「Gillette Aristocrat」というキーワードで検索してみるも、USAのゴールドのやつしかヒットせず、一度は諦めて妥協してそれを入札しました。その後何気なく関連商品の欄を見てたらNO.58が「Gillette UK 英国」というキーワードで出品されているのを発見。既にUSAのやつを入札してましたが、「次いつ入手出来るか分からない」という妙な思いに駆られ結果、計1万弱程しましたが無事二つとも入手出来ました。

    剃り心地は巷で言われてるようにUSAのやつが58より若干マイルドで、重さはUSAが軽くそのかわりハンドルは太いです。USA Aristocratのハンドルの太さとNO.58の重さをかけ合わせたのがGillette HDなんじゃないかと推測します。

    今回USA Aristocratはそこまで欲しくなく予想以上の出費でしたが、以外に後悔は少なかったです。今のところはこれで打ち止めにしようかとか思ってますが、いずれGillette HDも入手するんだろうなとか思うとこういう趣味の世界って怖いなと感じますw

    • suzuki より:

      KIDさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

      最近、ヤフオクでNo.58が落札されたのを見ていたので、
      ご本人からコメントもらえるとは驚きです。

      USAとUKのAristocrat合わせて1万弱なら、
      いい買い物じゃないかと思います。
      (コレクター的な無責任発言)
      Aristocratは意外と沼なので、打ち止めにならないかもしれませんねw

      USA Aristocratは1本ほしいと思っているので、感想ありがたいです。
      ゴールドは状態が微妙なものが多く、なかなか巡り会えません。

      eBayが不安ならEtsyでもヴィンテージGilletteを売っているショップがあるのでそちらでもいいかも。
      感覚としてはeBayより割安といったところです。