Gillette Rocket

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ヤフオクでたまたまGillette Rocketを安く落札できた。イギリス製のTTOで、40年代後半から50年代初頭の初期型Rocketである。立ち位置としてはAristocrat Jr.の後継となるエントリーモデルで、今回手に入れたものの特許番号は694 093であった。もう少し後になると、ハンドルが太いRocket HD 500というモデルになる。Rocket HD 500の方が断然人気で、狙うならHD 500だ。

今回は完全に惰性で買ったので、HD 500ではない。ヴィンテージのGilletteはAristocrat以外はそれほど欲しいと思わないので、相場よりも安ければ落札するというような感じだ。「eBayに流したら30%~50%の利益率になるくらい」というルールなので転売屋みたいだが、3か月に1本くらいの仕入で利益率50%は商売にならない。

見た目

汚れ方としては普通のヴィンテージだったので、洗浄と研磨でキレイになった。ハンドルあたりに落下と思われるダメージがあるが、ヘッドは無傷で不具合はなかった。イギリス製だが、ベースプレートにはアメリカ製と同じように菱形の窪みが入っており、特許番号が刻印されている。見慣れたヘッドなので、あまり書くことはない。

ハンドルの方は気の利いた装飾はなく、まさにマスプロダクトといった武骨さだ。ローレットは深くもなく浅くもないので、指先に自然にフィットするが、太さは細めなので現行品のような太めのハンドルを使っていると、少し違和感を感じるかもしれない。

イギリス製TTOなので、ドアを開閉すると全長が変わる。ヘッドはアメリカ製に寄っていくのだが、なぜこれを頑なに守り続けるんだろう、という気持ちになる。こいつのせいで、イギリス製のTTOはリプレートが別料金だったりするのだ。実際、力まかせに分解しようとすると壊れたり、ノブとハンドルのネジの噛み合わせ調整が難しかったりするのだけど。

見た目としてはFlare Tipより前の初期型のSuper Speedとあまり違いはない。触った感触も見た目通りなので、それほど心を動かされることはないだろう。

使いやすさ

ハンドルの細さが重量感にそのまま出ている。重心はヘッドに寄っているので、少しアンバランスに感じる。ヘッドとハンドルのバランスはTTOではどうにもならない分、使いやすさにダイレクトに影響してくる。最近はここらへんのバランスが取れているホルダーしか使わないので、少し使いにくく感じた。

ベースプレートの裏に「II」の刻印があり、巷ではアグレッシブさを表しているらしい。イギリス製のRed Tipが「III」なので、この話が本当ならミディアム・アグレッシブくらいだが、残念ながら時代が違う。現代基準だと完全にマイルドである。Super Speedよりは当たりが強いかなと思う程度だ。

アングルキープはやや厳しめで、重心のバランスが取れていないので扱いづらい。マイルド路線なので肌を切ることはないが、油断すると剃り残しが出るし、変な角度で追い込むとヒリヒリするだろう。方向性としてはキッチリ仕上げるというよりは、サクッと仕上げるタイプのホルダーだと思う。

使い勝手としてはSuper Speedとあまり変わらない。悪くはないけれども、AristocratやAdjustableに慣れてしまうと、やはり使いにくいかな。そうすると「もっと手に入れやすいSuper Speedでいいじゃん」みたいな結論になる。

まとめ

もっと安く出玉が多いSuper Speedでもいいんじゃないかな、というがやはり結論だ。狙うのであれば、やはり重量感のあるHD 500の方だ。値段的には50ドル程度だし、Super Speedのように掃いて捨てるほど出てるわけではないが、定期的に出品されている。あえて無印Rocketを選ぶ必要性は感じなかった。

正直なところ、3回くらい使って飽きちゃったので、あまりオススメはしない。


Gillette Rocket

40-50 USD
8.3

使いやすさ

7.5/10

デザイン

7.5/10

快適さ

8.5/10

深剃りのしやすさ

8.0/10

価格

10.0/10

Pros

  • マイルドで普段使いしやすい

Cons

  • アングルが厳しめ
  • Super Speedでいい

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