ヴィンテージ・ホルダーのクリーニング

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最近はヴィンテージのホルダーばかりを集めていて、ようやくクリーニングの手順を確立しつつあるので、今回はヴィンテージ・ホルダーのクリーニングについて書こうと思う。

ヴィンテージのホルダーはどんなに新しくても、60年代あたりのものだ。中には絶望的に汚れているものもあるが、クリーニングでそれなりにキレイになったりする。

やはり限界はあるが、使用に問題ない程度にはクリーニングできるだろう。

説明の中で使っている写真は最近手に入れたGillette Rocketで、汚れ具合としては平均的なホルダーだったので、参考になるかと思う。

汚れ方としては平均的。ヘッドの横が少し白っぽくなっている。

ベースプレートは黒ずみが多め。

ベースプレートの裏側。

STEP1 大きな汚れを落とす

手始めは石鹸カスなど、大きめの汚れを落とすことから始める。用意するものは中性洗剤(食器用の洗剤)と歯ブラシだ。歯ブラシは天然毛よりもそこらへんで売っているナイロン製の方がいい。

中性洗剤をお湯で薄めて、30分くらい漬けておく。TTOならドアは開いた状態の方がいいだろう。漬け終わったら歯ブラシで全体をこする。

ここでは大きな汚れを落とすだけなので、無理にキレイにする必要はない。落ちない汚れは次の工程に回すので、割り切って作業するのことにしている。

中性洗剤が入ったお湯で汚れを浮かせる

STEP2 細かい汚れを落とす

頑固な汚れはこの工程で落としていく。用意するものはSTEP1でも使用した歯ブラシと浴室洗剤のスクラビングバブルだ。

メッキを殺さずに汚れを落とす洗剤は色々試したが、スクラビングバブルが一番いいように思う。海外でも人気の洗剤だ。

使い方はホルダーにスクラビングバブルを吹きかけて、泡が全体を覆うようにする。そしたら、泡がなくなるまで放置する。

時々、様子を見て泡が流れ落ちてしまったところは、歯ブラシで別の泡を拾って、つけてやるといい。

泡がなくなったら、歯ブラシでこすってやると汚れが落ちていく。黒いくすみは落ちないが、それ以外の汚れは落とすことができ、緑青(いわゆる青サビ)も落ちる。細かいところは綿棒を使い、丁寧に汚れを落としてやる。

普通の用途でも優秀

泡がなくなるまで放置

STEP2まで終わったところ。白っぽい汚れ(石鹸カス)は一掃できた

黒ずみは落とすのが難しい

まだ薄汚れているが、このくらいでも使える。

STEP3 研磨

Aristocratあたりは金メッキやロジウムメッキが使われているので、この工程はやってはいけない。やるなら、ニッケルメッキのSuper SpeedやTechあたりだ。あと、FatboyやSlimなどのアジャスタブルはダイヤルのペイントが消えないように注意が必要だ。

汚れを落とすだけで満足できるレベルなら、ここはやらなくてもいい。というか、メッキを痛めるので、なるべく避けたい工程でもある。ただ、輝きは全然違うので、ピカピカにしたいのであればやった方がいい。

用意するものはピカールと布、綿棒だ。ピカールを少量、布につけてホルダーを磨くと、黒い磨き粉が出てくるので、磨き粉がなくなるまで布で拭き続ける。

そうすると、次第に黒いくすみや細かなキズがなくなってきて、輝きがでてくる。

取り返しのつかないくらい黒いくすみに覆われてるような場合は、メッキを犠牲にしてリューターで研磨する方法もある。

磨き布は着古したTシャツを使用

ドア部分はほぼ完ぺき。一番磨きやすい。

ベースプレートは細かいので磨きが不足している部分がある。根気が足りなくなった。

裏側も根気が足りないが、刻印ははっきりみえるようになった。

APPENDIX セーム革

金メッキやロジウムメッキはニッケルメッキと比べて弱く、研磨できないので、セーム革で磨く。セーム革はメッキを傷めずに磨くことができるが、金属研磨の道具ではなく、あくまで清掃用品なのでピカールのようにはならない。

セーム革は日常の手入れにも手軽に使えるのが魅力のひとつだ。汚れても洗えば再利用できる。

オススメは春日のキョンセームだ。値段が高いのと、パッケージに「類似品に注意」と逆に怪しい記述があるが、品質はいちばん高い。(Amazonはおかしなものが届くので東急ハンズとか信用できる場所で買った方がいいだろう)

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まとめ

ヴィンテージ・ホルダーのクリーニングは色々やってみた結果、こんな感じで落ち着いた。歯磨き粉や酸素系漂白剤などがあるが、あまり効果を感じなかった。

料理を作る鍋でホルダーを煮るのは抵抗があるので、煮沸はやっていない。煮沸も金やロジウムメッキには使えないし、同じダメージを与えるならピカールの方が手っ取り早いように思う。

今回はピカールで研磨までやったが、買った時の状態によってはやっていない。結局のところはケースバイケースになってしまうだろう。以前手に入れたGillette No.77はノブが絶望的に黒ずみに覆われており、リューターでメッキごと剥がしたこともある。

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