はじめに
AliExpressを見ていたらステンレスの両刃ホルダーがセールで3000円になっていた。元値は1万円くらい。約70%OFFである。常にセールをしているようなものなので、元値はあまり参考にならない。どのようなものかはわからず、ものは試しに買ってみたというわけである。中華製のホルダーは避けてきたのだが、食わず嫌いもよくないと思ったのもある。
最初に結論
ものは悪くない。むしろ、価格を考慮すると良いものだ。それは認めるし、良い点なのだが、気に入らない。
製品に名前がない点が気に入らない。これはなんという名前の両刃ホルダーなのか。「はい、両刃カミソリを作りましたよ。安く売りますよ」というスタンスなのかは知らないが、作る人も売る人も何もかもが無感情に思えてしまい、愛着も何にも湧かない。
買ったのでブログで紹介するのだが、これを買った時の自分を呪っているし、こういったものは二度と買わない。
外観
まずは外観を見ていこう。スペックを紹介したあと、ヘッドとハンドルをそれぞれ見ていく。
スペック
素材はステンレスで、ハンドルを含めた重量は110gで、ステンレスホルダーの中でも重い方だ。全長は9.5cmで小ぶりである。
ブレードギャップは0.86mmで、近いところだとGame Changer .84-Pあたりか。
特徴はハンドルの末端部分(TTOでいうノブの部分)がネジになっており着脱ができる。”Travel Handle”と言っているのは着脱することで、少し短くできるからだろう。そんなに変わらないと思うが。
ヘッド
両刃ホルダーの最も重要な部分であるヘッドから見ていこう。
ベースプレートとトップキャップを合わせた状態で薄めの印象を受ける。特にベースプレートは薄めで、見た目の印象はRazoRock Mambaあたりに近い。
見える部分の仕上げは荒さもなく、自然な研磨がされている。RazoRockのステンレスホルダーよりも仕上げはキレイなのではないかと思う。一方で、トップキャップの裏側など見えない部分は研磨がされていない。価格を考えれば見えないところの手間をカットするというのは仕方のないことだと思う。
替刃を装着しても歪みはなく構造的な問題はない。元値がまったくアテにならないので、価格との釣り合いを考えるのが難しいが、仮に平均価格が4000〜5000円だとしたら、かなりコスパが高い。
ハンドル
「あれれー?どこかで見たことあるぞー?」というハンドルである。Phoenix and Artisan Accoutrementsにも同じようなハンドルがある。(もしかしたら同じものかもね)
見た目はGilletteのRed Tipがそのまま3ピースのハンドルになっているのだが、太さはひと周りくらい太い。重量感がかなりあり、全体110gのほとんどはこのハンドルが占めている。
ハンドルの末端部分がネジで取り外しできることに何のメリットも感じないが、遊びとしてはおもしろいのではないか。Phoenix and Artisan Accoutrementsのように色違いがあったら楽しいと思う。それくらいかな。旅行に持って行きたい人は少し短くなるが、この機能が必要不可欠になることは一生ないと思う。
使い心地
肌当たりはミディアム・アグレッシブといったところで、ブレードギャップが近いGame Change .84-Pに似ている。マイルドホルダーほどではないが、スムーズさとアグレッシブさのバランスがよく使い心地がいい。アングルキープも難しくなく気軽に使えるだろう。
欠点らしい欠点は見当たらない。強いて言うなら、ヘッドに比べてハンドルが重いので、重心のバランスは少し違和感がある。これは使う上では問題ないレベルである。
引っかかりやおかしな当たり方をするようなこともなく、典型的なミディアム・アグレッシブなホルダーとして使える。価格を考えると、ステンレス製で「ちゃんと使える」だけでもう十分である。
まとめ
価格と性能
セールで3000円代だったので、コストパフォーマンスは抜群によいと感じる。ステンレス製のちゃんと使える両刃カミソリで、送料無料である。
ただ、定価の1万円だったら、他の両刃カミソリを検討してもいいかもしれない。為替などの都合もあるが、同じ価格帯で同等かそれ以上の製品が存在する可能性がある。
5000円あたりから検討スコープに入ってくるかな。
おすすめする人・しない人
コスパの良いステンレス製ホルダーがほしい人にはセールタイミングを見計らって買ってみるのがいいだろう。また、両刃カミソリを初めてみたいという人にも使いやすく、手頃な価格である。
一方で道具としての両刃カミソリを楽しみたい人はおすすめしない。これはただの安さと品質のバランスが取れた両刃カミソリであり、作り手や売り手の思いが込められたものではない。
最後に
今まで中華ホルダーはなんとなく避けてきたが、実際に買ってみて避けてきた理由を言語化できた。そういった意味では価値あるホルダーとなったのだが、両刃カミソリとしての魅力や価値は一切感じていない。
そういったわけで、特に感想も思い浮かばない。「安くてちゃんとしてる」以外に言いたいことがない。
何に価値を感じるかは人それぞれなので、このホルダーに価値や喜びを感じる人もいるだろう。
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