Above The Tie: S1 Slant Solid Bar

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去年の年末にAbove The Tie(以下、ATT)の片刃ホルダーSE1を買って大変満足したので、今度はスラントの両刃ホルダーを買った。例のごとく、ソリッドバーとオープンコームで迷ったのだけど、迷ったらスタンダードということでソリッドバーのS1にした。

今回はハンドルなしでヘッドのみだ。ATTのハンドルは高いばかりでコストパフォーマンスがよろしくない気がする。ハンドルなしのヘッドのみでも120ドルなので、けっこう高い。100ドルを超えると「キャップは手に入れたのでS2は60ドルで買えてお得だね!」というような支離滅裂な思考が頭を過る。

ATT本家から買うようにしているのだが、どうもATT本家とは相性がよくないせいか、到着まで3週間以上かかる。SE1の時もやたらと時間がかかったのだが、今回はおまけに「君に送ったエンドキャップは不良品っぽいから、新しいの入荷したら送るね!入荷はだいたい2週間後!」というメールが本体到着を見計らったかのように送られてきた。トータルで7週間待ちというなかなか渋い展開であった。ちなみに、エンドキャップは確かに不良品っぽかったけど、普通に使えた。

見た目

3ピースのスラントで、iKon X3のような刃を捻るタイプではなく、ベースプレートの不均一な厚みで斜めになるタイプである。ベースプレートの刃を乗せる部分の片側が厚くなっており、その厚さを利用してスラントを実現している。ちなみにiKon #102はスクリューが斜めについているので、ヘッドをつけるとハンドルが傾く形になるが、S1はヘッドとハンドルは垂直で刃だけが斜めになる。

右側が肉厚になっている

目測でしかないが、刃の傾斜は他のスラントホルダーよりも少し緩めに見える。手持ちのスラントはどれも「斜め!」という感じだが、S1は少し控えめだ。良い悪いというよりは単純にそういう作りなのだろう。

ヘッド自体はシンプルながら厚すぎない程度の厚みがあり存在感がある。取り立てて目立つような特徴はないのだが、一目でS1とわかるのは妙なる部分だろう。

最近のステンレス製ホルダーだと316が主流っぽいが、ATTのステンレスホルダーは303ステンレスである。316の方が耐食性に優れてはいるものの、髭剃りなんて過酷な環境でするものでもないので303だろうが316だろうが関係ないような気がする。

普段はAtlasハンドルと組み合わせて使っているが、重さはステンレスホルダーらしいずっしりとした重量感である。重すぎるわけでもないので安定感がある。我が家にはスケールがないので正確にはわからないが、重さとしては90g前後くらいじゃないかと思う。

スラントとしては控えめなデザインなのだが、むしろそこを気に入っており、ついつい手に取りたくなる。ポリッシュ仕上げだと、さらにいい感じになると思うが、それはそれで取っつきにくそうな気がする。ポジティブな言い方をすると、「親近感が湧く」というのがピッタリだ。

この記事を書いていて気づいたんだけど、仕上げを3種類から選べるらしい。買ったときはそんなものなかった気がする。

使い心地

サイトにはmid-aggressive、ミディアムアグレッシブとあったが、個人的にはマイルドに感じた。当たりとしてはかなり弱めで、34Cよりも心持ち強めくらいか、同じくらいだと思う。スラント特有のシャープ感も強くなく、どちらかというと普通のノーマルホルダーのような感覚である。

優しくスムーズに剃れるので心地よく剃ることができるので、ファーストインプレッションは「あれ、これスラントっぽくないな」と思った。しかし、何回か使っていると、普通のホルダーよりもシャープに剃れていることに気づいた。スラントと感じさせないスラントというのはおもしろいかもしれない。

アングルキープはそんなに気にしなくても、しっかり剃れるのでとても使いやすい。マイルドな肌当たりでスムーズにも関わらず、普通のホルダーよりも少しシャープなので、かなりいい加減に使っても、そこそこに剃れる。逆に真面目に使えばバッチリ仕上がる。7 O’Clock黄色のような当たりの強い替刃でなければ、ガシガシ追い込んでもアルムが沁みないので、やる気には120%くらいで応えてくれるホルダーである。

まとめ

仕事で頭を使いだすとブログの方まで頭が回らなくなってしまうので、初めて更新しない月ができてしまった。実はこの記事を書くのに1か月以上かかっている。その間にS1はけっこうな頻度で使っているが、やはり使いやすい。スラントっぽくないので、ゆるくスラントを始めたい人にはかなり向いている。 スラントに慣れるまでのじゃじゃ馬感を楽しみたい人にはあまり向いていないかな、と思う。

ハンドル含めると150ドル超えるので、なかなか決断が難しいのだが、まぁそれなりの価値はあるんじゃないかと思う。80ドル超えたあたりから実用というよりは道楽の世界なので、実用性でいえば37Cあたりで十分なんだけどね。

Above The Tie: S1 Slant Solid Bar

121 USD (Head Only)
9.4

使いやすさ

10.0/10

デザイン

10.0/10

快適さ

10.0/10

深剃りのしやすさ

9.5/10

価格

7.5/10

Pros

  • マイルドでスムーズにも関わらず深剃りできる
  • アングルを気にしないでも使える
  • シンプルなデザイン

Cons

  • スラント感が少ない
  • 価格が高め

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