iKon B1 Slantが思ったよりもよかったので、B1シリーズから何か買おうと思い、思い悩んだ末にクローズドバーとオープンコームが一体化したOSSを買った。決め手としてはアルミ合金のShave Craft 101と明らかに形状が違うからだ。101はヘッドが厚く、オープンコーム側のコームが妙に太いが、B1 OSSは薄めでコームがオープンコームらしいコームをしている。ここまで違えば使い心地もだいぶ違うだろう踏んで購入した。
見た目
素材はステンレスでB1コーティングされている。ショップの写真だと少しプラスチック感があるが、実際は黒光りしていてちゃんと金属らしい質感をしている。ヘッドの重さはだいたい30g程度だろう。
特徴的なのは片側がクローズドバーで、反対側がオープンコームであることだ。Shave Craft #101と同じだが、冒頭で書いたように厚みやオープンコーム側の作りは大分異なる。
#101のベースプレートはかなり厚みがあるが、B1 OSSはかなり薄い。手持ちの他のスリーピースと比べても薄く感じる。ヘッドは厚いよりも薄い方が取り回しがしやすく、細かいところまで剃れる。決定打とまではいかないが、厚いヘッドよりも薄いヘッドの方が好きだ。
オープンコーム側はGillette NEWにそっくりな形をしている。長めのコームで先端が熊手のように爪が少し曲がっている。オープンコームはどちらかというとOld Typeのようにコームが湾曲しているものが多い印象があり、NEWのようなものはあまり見かけない気がする。まぁ、オープンコームにさほど興味がないので、あまり見ていないだけで、実はけっこうあるかもしれない。
クローズドバー側はさほど特徴はないが、 全体的にはよくまとまったデザインで「なんだかよさそう」感が出ている。
B1 Slantもそうだが、B1コーティングはかなり存在感があり、使ってないけどなんだか買ってよかったという気持ちになる。
使い心地
クローズドバー側とオープンコーム側で剃り心地がだいぶ違う。Shave Craft #101はオープンコーム側が若干マイルドであったが、B1 OSSは逆にクローズドバー側の方がマイルドだ。オープンコーム側の方がクローズドバー側よりも少しアグレッシブだ。どちらもマイルド寄りの当たりではあるが、それぞれを比べると印象は少し違うものになる。
クローズドバー側
クローズドバー側は現行ホルダーではマイルド寄りの剃り心地だ。DE89や45Cあたりの順当なヘッドといったところだ。ヘッドが薄いので小回りというか、取り回しがしやすい分、B1 OSSの方が使いやすいように感じる。
アングルキープもしやすく、あまりシビアに角度をキープする必要もない。使用感もスムーズである。アグレッシブではないので、2.5パスとかでは剃り切れず、3パスきっちり必要だろう。
ただ、肌への当たりは柔らかいので、ガリガリに追い込んでも問題ない。むしろ、小回り感があるので、追い込むのが楽しくなる。俺は顎あたりはクローズドバー側でびっちり追い込む使い方をしている。
人にもよるだろうが、ややアグレッシブなオープンコーム側で手数少なく剃り切るよりも、クローズドバー側で丁寧に追い込んだ方が仕上がりがキレイになる。
オープンコーム側
前述したように、クローズドバー側よりも少しアグレッシブに感じる。こちらはオープンコームかくあるべし、という肌当たりでGillette NEWのLong Comb近く、コームが肌に少し食い込む感覚が強い。Shave Craft #101のオープンコーム側はコームが太くてあまりオープンコームという感じがしなかったが、B1 OSSはしっかりとオープンコームしている。
こちらもアングルキープは クローズドバー側よりも楽で、1ストロークでそれなりの深剃りが決まる。使い方としては、手数を少なく剃り上げたい箇所はオープンコーム側がいいだろう。俺の体質は、エラから顎にかけての部分が弱めなのに剃りにくいので、オープンコーム側が活躍してくれる。
クローズドバー側もオープンコーム側も比べると違いはあるが、極端に大きな違いはないので、順剃りや横剃りはあまり使い分けを気にしていない。逆剃りでの剃りにくいポイントや追い込みでうまく使い分けると、かなり重宝する。
まとめ
iKonのB1シリーズはこれで2本目となったが、Shave Craftシリーズに比べると、ワンランク以上は上という印象を受ける。ヘッドだけで80ドルではあるものの、Slantと違いトップキャップはOpen CombやStandardと共通なので、揃えたければベースプレートだけ買えばいいというメリットはある。
難点を上げるとすれば、黒地なのでオープンコームの間の石鹸カスがかなり目立つところだ。まぁ、これは止む無しという感じではある。あまり神経質にホルダーのメンテナンスをする方ではないのだが、これを見るともう少しメンテナンスしようかなという気になる。
コメント
初めてコメントさせていただきます。約1年前にこちらのサイトを発見してから、ずっと楽しみに拝見しております。お忙しくされておられるのだろうと思っておりましたがここ最近更新がなく、ついにこちらのサイトも終焉を迎えたのかと勝手に残念がっておったのですが、この度めでたく更新されたこととても嬉しく感じております。
当方は約5年前から、いわゆるクラシックシェービングの世界にはまっております。両刃もビンテージGilletteや現行のIkon、Razorock、Razorineなど数多く集めてしまいましたが、どちらかというとEver Readyやinjector、最近入手したものではRazorock ECOなどの片刃が気に入っております。クラシックシェービングは替刃が安く経済的なんて話も聞きますが、石鹸にアフターシェープにブラシにと楽しさと引き換えにむしろ不経済ですよね(笑)。
国内でクラシックシェービングというと、せいぜいR89や34Cの使い心地で終わり的な記事が多い中、当サイトの骨太でバラエティーに富んだ記事が大好きです。新たなネタを入手して記事を更新するのもかなり大変なことかと存じますが、末永くサイトを継続していただければ幸いです。勝手に応援し続けております。
PRIMOさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
ブログの更新まで手が回っておらず、申し訳ありません。
楽しみにしてくれる人がいると、モチベーションになります。
ありがとうございます。
片刃も奥が深く楽しそうだと思うものの、なかなか手が出せないでいます。
特にInjector Type Lあたりの外見のシンプルさは惹かれるものがあります。
クラシックシェービングは実用だけを追い求めても、
電動に比べると遥かに時間がかかるので、
費用対効果が高くても、時間対効果で相殺されます。
道楽と割り切り、ソープの香りを楽しみながら一つのことに集中する時間を買っていると思っています。
いつも楽しく拝見してます。
とても参考になります。
どの刃を使われたのかを書いて頂くと 更に嬉しいです。
現在の私は 紆余曲折の末 ikon102 GilletteのNacet を王道感で常用してます。
立川さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
替刃はGillette PlatinumかPolsilver SIを使用しています。
これからは替刃にも少し触れますね。
iKon 102はほどほどのアグレッシブさで、まさに王道だと思います。
普段使いにはもってこいのチョイスだと思います。