片刃のGeneralを作っているColonial Razorsが両刃ホルダーを作るというので首を長くして待っていた。Generalはアルミのヘッドとステンレスの2種類を持っているが、どちらも満足している。両刃も期待できると思っていたところ、6月にプレオーダーが開始となった。
価格は$125(発売時。今は$150)と今まで$100未満だったので、ややたじろいだが、「まぁ止む無し」と根拠のない理由で注文してしまった。8月頃に発送され、届いたのは8月下旬も迫った頃だったかと思う。
見た目
少し変わった見た目をしているのはハンドルのせいだろう。ぷっくりとしたハンドルが外見の特徴で、18世紀の銀製ティーポットをモチーフにしたデザインをしている。アルミや真鍮の初期Generalのようなモダンなデザインになるかと思っていたが、予想に反してかなりクラシックを思わせるデザインであった。
クラシックなデザインではあるが、ハンドルの中程が膨れるようなデザインはヴィンテージでもほとんど見ないので、両刃ホルダーのデザインとしては新しいデザインだと言える。この形のハンドルが使いやすいかどうかは後述する。
さて、素材はステンレスでマット仕上げである。この仕上げ方はGeneralから一貫している。重さは全体で94.5gなので、ステンレスらしい重みがある。
ハンドルの長さはショートハンドルくらいだが、膨らみのあるデザインであるせいか、一回り小ぶりに感じる。開封して実物を持ってみて「なんだか小さいな」と感じた。手持ちのホルダーと比べてみると、それほど小さいわけではなかった。
全体の見た目は「可愛らしい」の一言である。両刃ホルダーでこの言葉を使う日が来るとは思わなかったが、可愛らしい見た目をしている。
使い心地
サイトでのアグレッシブレートは5/10と記載されている。正直、何が1で何が10なの?という疑問があるが、感覚的には5/10くらいのアグレッシブさでよいのではないかと思う。感覚としてはマイルドなモダンホルダーで、DE89あたりと同じくらいのアグレッシブさだ。
剃り心地はとてもスムーズでスルスルと肌を滑っていき、とても心地よい。アングルキープは簡単で、しかも肌への当たりがそれほど強くないにも関わらず、よく剃れる。
片刃専門のブランドだったので、もう少しアグレッシブになるかと思っていたのだが、見当が外れた。かといって、剃りが甘いということは、まったくない。快適さという部分だと、モダンホルダーよりも、GilletteのAristocratあたりのヴィンテージに近いものがある。
こういった快適さは、やはりステンレスの重量感が安定感を生み出しているのだろうと考えている。80〜90gくらいの重量が個人的には一番使いやすいかな。替刃を選ぶホルダーではないと思うので、どんなタイプの替刃でも満足できるはずだ。
さて、ハンドルの膨らみだが、これは思っていたよりもずっと使いやすかった。丸みの部分がちゃんと安定して持てるのかと思っていたのだが、意外と納まりがよかった。普通のまっすぐなハンドルに慣れていると、確かに多少の違いを感じる。だが、使いにくいというような違和感という意味ではなく、「こういうのもありかな」という感じだ。末端の球形部分にちょうど小指が引っかかるので、思ったよりも安定している。
使用感はやはり小ぶりな印象で、手のひらが大きい人には少し小さく感じるかもしれない。俺の手は標準程度だと思うが、手の平に納まるものの少しコンパクトに感じた。ここらへんの個人差で、使いやすさに差が出るかどうかはわからない。「小さいのはちょっと・・・」という人は避けておいた方が無難かもしれない。
まとめ
Colonial Razors初の両刃ホルダーということで、一抹の不安はあったものの、大変満足できるホルダーであった。全体的によくデザインされているな、という印象だ。
一方で、道楽ではなく実用的な価値として$150かというと、少し疑問がある。少し前であれば、ステンレスというだけで$100超えの価値はあったかもしれないが、最近はそういうわけではない。ATTも古いラインは値下げしたし、個人的には「Game Changerよりはいいけど、$150ではないな」というところかな。
トップキャップ共用でオープンコームとか、ブレードギャップ違いとか、ベースプレートのバリエーションがあると、コストパフォーマンスという部分では救いがあるのだけど、現状では少し弱いかなと思う。
コメント