
PAAのスラントホルダーを2本買ってから、もう少しホルダー買いたいと思っていた。何を買おうかと迷っており、思い切ってBlacklandのVectorにしようと心を決めかけていたところ、Above The Tie(以下、ATT)のサイトを見たら3rdラインとしてWindsor Proというものが出ていた。値段は99ドル。安い。これにしよ。というわけで、安さに惹かれてWindsor Proを買ってしまった。
ステンレスとアルミがラインナップされており、今回買ったのはステンレスである。ベースプレートはソリッドバーのブレードギャップ0.90mmで今のところは1種類だけだ。
サイトのNewsを見ると「144ドル→99ドル」という記載があり、発売割引みたいな感じなのかと思ったが、News自体が2020年6月なのでそういうわけでもなさそうだ。「Classicシリーズが139ドルからだけど、大丈夫なの?これ?」と少し不安になる。ベースプレートも色々種類を出すつもりらしいが、全く音沙汰がない。Windsor Proは音沙汰ないのに、片刃スラントの発売がアナウンスされ、見捨てられてる感がすごい。
一抹の不安を感じながら、Windsor Proの到着を待っていた。
見た目
ATTのホルダーは化粧箱に入って送られてくるのだが、開けてみると非常に美しい。鏡面磨きで仕上げられていて高級感が溢れている。普段は仕上げよりも値段を重視するので知らなかったが、鏡面仕上げのホルダーも良いものだと思った。
特にハンドルはClassicシリーズと比べると存在感が全然違う。ClassicのKronosハンドルを持っているが、仕上げとしてはかなり残念でATTのハンドルには何も期待するものがないと思っていた。Windsor ProのKronosハンドルを手にして、その見方は180度変わった。同じものなのに、仕上げだけで印象がずいぶんと変わるものだ。
ヘッドの方は何の変哲もないスリーピースである。ベースプレートの上部やトップキャップの内側は鏡面仕上げではなく、マット仕上げになっている。この辺は替刃が当たる部分なので、鏡面仕上げにされると傷が目立つだけなので、マット仕上げの方がいい。Classicシリーズのトップキャップ内側は、切り出した跡が残っているが、Windsor Proはちゃんとマット仕上げになっており、抜かりがない。
ブレードギャップは0.90mmなので、ミディアム・アグレッシブ暗いだろうと予想できる。ATTのサイトにもRegular – Aggressiveと記載がある。手持ちで近いところだと、RazoRockのGame Changer .84Pあたりだろうか。比較するなら、この辺りだろう。
見た目は標準的なスリーピースなので、「美しいですね!」くらいしか書くことがない。


交換用の他にナイロン製もついてくる。

使い心地
手持ちのATTはS1(スラント)やSE1(AC片刃)で、どちらかというと変化球なホルダーしかないので、スタンダードなホルダーは初めて使うことになる。ClassicやProじゃないWindsorと比べられないが、使い心地は非常にいい。
まず非常にスムーズだ。刃が当たっている感覚はほとんど感じず、滑らか過ぎるくらいに滑らかな剃り心地である。感覚としてはマイルドなのだが、実際の肌への当たりは、おそらくミディアム・アグレッシブだ。実際の肌への当たりと感触に大きなギャップがあり、戸惑ってしまった。
品物が届く前にBadger & Bladeのレビュースレッドを眺めていたら「カミソリ負けしてヒリヒリした」という書き込みがあったが、おそらく肌への当たり具合と感触のギャップによるものだと思う。感覚通りの当たり具合であれば、多少力を入れてもカミソリ負けしないと思うが、実際の当たり具合はミディアム・アグレッシブなので、力を入れてしまうとカミソリ負けするはずだ。
そういった意味ではクセのあるホルダーで、感覚と経験値でホルダーに合わせた使い方をしている人にはWindsor Proが持つ特徴を見極めないと使いにくい。初めて使った時は、あまりにスムーズなので調子に乗ってしまい、カミソリ負けを作ってしまった。
剃り上がりは3パス+軽くタッチアップで楽にBBSまで持っていける。アングルキープを気にする必要はなく、ミディアム・アグレッシブらしい剃り上がりだ。ここらへんはGame Changer .84Pに近く、ものすごくスムーズなGame Changer .84PがWindsor Pro SB90だと思っていいと思う。
替刃はGillette PlatinumやAstra SPあたりのシャープ刃を使ったが、ダル刃でも使い心地は良さそうだ。替刃はあまり選ばないのではないだろうか。
まとめ
ATTの3rdラインということだが、SB90以外が出ていないのが気になるところだ。とはいえ、ホルダー自体は使いやすく、仕上がりや性能を合わせると、99ドルはコストパフォーマンスが高い。オープンコームやブレードギャップ違いなどのベースプレートが出たら、ベースプレートだけを買えばいいので、この後の価格も抑えられるのが魅力である。
ハイエンドなホルダーは割引の具合によっては買うというスタンスなので、買う機会はそれほど多くない。たまに買ってみると、色々な気づきがあって面白い。今回であれば、鏡面仕上げだとか、スムーズさだとかはミドルレンジの価格帯にはない魅力だろう。
とはいえ、ハイエンドな両刃ホルダーはそんなにホイホイ買えるものでもないので、年に1回買うくらいでいいかなと思う。
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