クラシックシェービングを始めるにあたり、準備するものを前回書いた。
今回はクラシックシェービングの手順や工程を書いてみよう。これはあくまで俺が実際にやっていることを元にしているので、万人に共通するものではない。だが、かねがね以下の流れではないだろうか。
- 準備
- プレシェーブ
- ラザリング
- シェービング
- ポストシェーブ
カートリッジでのシェービングと違う点は「泡立て」くらいだろう。他はなんだかんだ言って、カートリッジ式でもやることではある。
準備
準備は前日の夜から始まる。両刃ホルダーに替刃を入れたりといった道具の準備は前日の夜にやっている。
昼間の疲れで肌が弱っているので、回復しやすいようケアする。風呂上がりに化粧水や乳液で保湿をしておくといい。アルコールを含まない化粧水とユースキンAを塗っている。ユースキンAは安い割に効果が高く、冬場でも朝起きて肌の乾燥を感じない。必要であれば、チョコラBBやビタミン系のサプリメントを飲んで肌の回復を図っている。
朝はぬるま湯にブラシを浸すくらいしかしていない。人工毛のブラシだと、水に浸す必要がないので便利である。
蒸しタオルを使いたい時は、濡れたタオルをラップに包んで電子レンジで温める。
プレシェーブ
ブラシを浸している間に、髭や肌の状態を整える。
まずは40℃のお湯で洗顔する。多めにお湯を使い、髭に水分を含ませて柔らかくすることを意識している。洗うのは軽めだ。蒸しタオルで蒸らすのも良い。一番効果があるのはシャワーを浴びることである。
その後、カスターオイルとホホバオイルを1:2で混ぜたオイルで顔を剃るエリアをマッサージする。埋もれている髭を出すのと、シェービングに向けた肌の保護が目的だ。カスターオイルの効果で血行も良くなる。余談だが、風呂上がりにこのオイルで顔から首回りをマッサージすると血流が良くなっているのが実感できる。
ホホバオイルではなくオリーブオイルを使っていたことがあるが、重いオイル同士を混ぜると何もかもがオイルまみれになるので、今は軽いホホバオイルを使っている。
ラザリング
プレシェーブ用のオイルを浸透させている間にラザリング(ソープの泡立て)をする。ブラシを軽く絞って、シェービングソープに擦りつける。ある程度、泡がブラシについたら、ボウルなりカップなりで泡立てる。
シェービングクリームを使うなら、クリームを指の第1関節を目安に取り、ボウルやカップに移したあと、同じようにブラシでかき混ぜて泡立てる。
ブラシの絞り方は使うソープによるが、ブラシを持った手の小指と薬指で絞るくらいがよい。DR. HARRISあたりのイギリス製ソープはかなり絞ってしまっても泡立つ。水分が足りなければ少しずつ加えていく。
泡の角が立つくらいになったら完了だ。泡がきめ細かくなり、ゆるめの生クリームのような状態になる。泡が硬くなり、混ぜてる最中に抵抗を感じるようになる。
シェービング
ブラシにつけた泡を顔に塗る。豚毛ブラシだと本当に塗るような感覚になる。円を描くようにやるとうまくいかない。アナグマ毛だと、円を描くように塗れる。
ソープで顔が真っ白になったら、両刃カミソリで剃っていく。オーソドックスに3パスである。最初の2パスは最後の逆剃りに向けた仕込みでしかないので、追い込みはかけない。順剃りと横剃りは髭の向きは気にしないので、局所的には逆剃りになったりする。
3パス目で逆剃りとなる。圧をかけるとカミソリ負けするので、リラックスした状態で素早く剃っていく。ここで髭の生えている方向を気にかけることになる。単純に下から上ではないので、髭のどこがどういう向きで生えているかを把握しておく必要がある。指で触って一番抵抗がある方向が逆剃りする向きである。
骨張っている部分にカミソリを当てると出血の原因になるので、肌を引っ張って髭を移動させる。エラ周りや喉ボトケ周辺あたりは皮を引っ張ってカミソリが当たる位置を移動させながら、追い込んでいく。
パスとパスの間に泡を洗い流すらしいが、俺はしていない。また泡を塗るのに流す必要があるのだろうか?洗い流すのは最後だけでいいんじゃないだろうか。
ポストシェーブ
荒れた肌を整える最終工程である。シェービング自体よりも重要な工程だと思っているので、入念にやっている。
顔に残った泡を洗い流したら、アルムブロックを顔に塗りつける。アルムブロックは皮膚の収斂、殺菌、止血の効果がある。ここで滲みるような場所はシェービングの時点で肌を傷つけているので、アプローチの方法に改善の余地があると思っていい。
アルムブロックを浸透させている間に、使ったシェービンググッズの洗浄と片付けをやってしまう。といっても、両刃ホルダーを水で濯ぎ、ブラシとソープに付いている泡を洗い流して、スタンドに置くだけである。
その後、冷水で顔を引き締め、ウィッチヘーゼルとアフターシェーブローションを叩き込むように塗っていく。ある程度の水気が飛んだら、アフターシェーブバームを多めに塗り込む。バームがなければ、乳液などの保湿力が高い化粧品がいい。
まとめ
両刃カミソリによるクラシックシェービングの手順を紹介した。剃ること自体より、毎日の負荷に耐えられるように肌のコンディションを整えることに重点を置いている。ウェットシェービングというのは、肌へのダメージを最小限に深く剃り、肌をケアしていくのが目的だと思っている。
意外と人間の体組織というのはうまくコントロールできず、未だに低負担の深剃りというのがなかなか難しいので、まだまだ修練が必要である。
コメント
パスとパスの間に顔をすすがないと顔に残った髭のカスが泡を塗るときブラシに付いちゃって、最後に水洗いするときブラシから髭カスが大量に出てくるということにならないですか?
自分はそれがなんか嫌なので洗うようにしてます。
チプルソの真似さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
剃った時にソープと一緒に髭カスも一緒に拭っているみたいで、
髭カスが顔に残らないのです。
ここらへんは人によって違うかもしれませんね。
こんにちは。
コメント失礼します。
一連の記事を読んで、ウェットシェービングを始めてみようと思いました。
そこで、剃刀について質問させて頂きたいです。
T字とI字(?)色んな種類があると思います。私は普段、電動シェーバーをメインに使用し、I字の剃刀で眉や細部を整えています。
T字は口周りが剃り辛いと感じるのですが慣れるとすべて綺麗に剃れるものなのでしょうか?理髪店が使用するのもI字の剃刀だなと思ったので質問させて頂きました。
よろしくお願いします。
hikaruさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
T字のカミソリでも口周りは綺麗に剃れます。
薬局で売っているような多枚刃でも、このブログで紹介している両刃でも、
アナログな道具ですので、使い慣れるまでは剃り残しはあるかと思います。