両刃ホルダーの構造と形状

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両刃ホルダーを買うとなると、意外と種類があり迷いが生じる。1本目よりも2本目や3本目といったところで、どのホルダーを選べば良いのかわからなくなってしまう。

今回は両刃ホルダーにはどういう種類のものがあるのかを見ていく。

両刃ホルダーの構造

両刃ホルダーの構造には、3ピース、2ピース、TTOの3種類がある。それぞれの特徴を見ていこう。

3ピース

3ピースはトップキャップ、ベースプレート、ハンドルの3つの部品で構成される。トップキャップとベースプレートに替刃を挟み、トップキャップとハンドルをネジ止めする仕組みである。一番スタンダードな構造で、世の中に流通する両刃ホルダーのほとんどはのこれである。

剃り味はピンからキリまであり、マイルドなものからアグレッシブなものまで幅が広い。あえて「3ピースが良い!」という風にはならないだろう。ホルダーを並べて、目を瞑って選んだらだいたい3ピースである。

現行品からヴィンテージまで出会うホルダーはだいたい3ピースのはずである。

ヘッドの部分とハンドルの部分は各社互換性があり、ヘッドとハンドルをすげ替えることができるし、ハンドルだけも販売されている。

2ピース

2ピースはベースプレートとハンドルが一体になっている。現行品であればMerkurくらいしか2ピースを出しておらず、2ピースを見かけたらMerkurである。

ベースプレートとハンドルが一体になっているので、3ピースのようにハンドルをすげ替えるということはできない。トップキャップをハンドルに差し込む形になるので、トップキャップも替えられない。

3ピースのようなカスタマイズ性はないし、TTOのようなギミック感もないので、退屈といえば退屈な構造だと思っている。

TTO

TTOは他の2つに比べると特殊で、ベースプレートとハンドルが一体なのは2ピースと変わらないが、トップキャップはなく代わりに観音開きの扉がついている。ノブを回すと扉が開き、替刃をセットする仕組みである。

初めて手に入れた頃は面白くてずっとクルクル閉じたり開いたりしていた。

現行品ではフェザーのポピュラーやParkerあたりが有名だが、TTOといえばヴィンテージのGilletteだと思っている。Gillette以外のTTOは使う気になれないので1本も持っていない。

この構造のホルダーはマイルドなものが多く、アグレッシブなホルダーはあまり見かけない。

形状

形状はクローズドバー(Closed Bar)、オープンコーム(Open Comb)、スラント(Slant)がある。

クローズドバー

最もスタンダードな形状といえる。Edwin Jagger DE89やMerkur 34Cといった定番ホルダーもクローズドバーである。

剃り味はマイルドと言われるが、iKonのTechのような極度にアグレシッブなホルダーや、持っていないがAbove The TieのH1もアグレッシブである。クローズドバーがマイルドかというと、一概にそういうわけではない。

使いやすさとしては一番使いやすい。

オープンコーム

ベースプレートが櫛状になっているのがオープンコームである。両刃ホルダーの原点といえる形状で由緒正しい形状である。

オープンコームの肌へのあたりは少し変わっていて、クローズドバーで同じくらいのアグレッシブさでもオープンコームの方がやや当たりが強い。櫛で皮膚を押しているからだろうか、不思議な感覚である。

伸びきったヒゲや体毛を剃るならオープンコームが一番スムーズに剃れる。

スラント

スラントは刃が斜めになる形状をしている。Merkur 37Cが有名どころだが、最近は様々なメーカーからスラントのホルダーが出てきており、ここ数年、一番熱いジャンルである。(最近は片刃ホルダーに人気が奪われつつあるが)

「刃物は斜めに入れたほうがよく切れる」という発想で生まれた形状で、実際に肌への当たりはアグレッシブというよりはシャープな印象である。肌への当たりは弱くてもよく剃れるホルダーが多いが、使うには慣れがいる部分もある。

ヘッド自体が斜めになっているものや、替刃を捻って斜めにするものがあり、意外とバリエーションがある。

構造と形状の組み合わせ

該当しない組み合わせもあるが、両刃ホルダーの種類は3種類の構造と3種類の形状を組み合わせたパターンということになる。あとは素材、肌への当たり具合と剃り味といった性能、アジャスト機能の有無で違いが出る。

構造と形状で主なホルダーまとめたのが下の表になる。

  Closed Bar Open Comb Slant
3ピース Mühle R89 Merkur 15C iKon X3
2ピース Merkur 34C Merkur 11C Merkur 37C
TTO Gillette SuperSpeed Gillette Aristocrat 1936

3ピースのクローズドバーが圧倒的に主流で、3ピースのオープンコームとTTOのクローズドバーが続くというのが全体感である。

2ピースのホルダーはMerkurの一部しかないが、定番の34Cと37Cがあるせいか、代表的な構造にあがることがある。ちなみに、11Cは廃番となっている。

TTOはParkerや国内メーカーで安価なフェザーのポピュラーなんかもあるが、TTOといえばGilletteという印象がある。

構造はそれほど性能を左右しないが、形状は同じ肌の当たり具合でもクローズドバーを標準とすると、オープンコームはやや当たりが強くなり、スラントは同じ肌への当たりでシャープになる。Merkur 15Cがクローズドバーだったらおそらく殆ど剃れないのではないだろうか。

オープンコームにしろ、スラントにしろ、それぞれ独特の剃り心地がありなかなか面白い。特にスラントは流行りなのもあるせいか、安価なものも出てきている。

コメント

  1. 蛭田正平 より:

    ひげそりに使わないんですが髭剃りに使いたいのですがいいですか髪カットに使いたのですホルダー有ります別に髪専門的な両刃カミソリ有りますか教えてください

    • suzuki より:

      蛭田正平さん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      髪カットについてはよくわからないです。申し訳ありません。
      「カットレザー」で検索すると髪カット用のものがあるようです。

      お役に立てず、ごめんなさい。