Above The Tie SE1 Kronos

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もうすっかり2019年になってしまったが、去年のブラックフライデーで一番の収穫だったのはAbove The Tie(以下、ATT)での50% OFFであった。ホルダーであれば、通常185ドルが半額92.50ドルである。 ブラックフライデーあたりから配送が遅延し出すので、20%引きくらいだと、個人的にはあまりメリットを感じが、このくらいの割引率だと「とりあえず買うか」という気になる。

スラントかAC片刃かはかなり悩んだが、今回はクローズドバーのAC片刃であるSE1、ハンドルは長くもなく短くもないKronosにした。「スラントとはいえ両刃に100ドル出すならヴィンテージに行くわい」というのが最近の購入方針でもある。

見た目

アーティストクラブ系の替刃を使用する片刃ホルダーである。 素材はステンレスで、 重量はヘッドが49 g、ハンドルが71 gで合計120 gだ。重さで言えば重い方だがMongooseのように極端に思わけではないので、ステンレスらしい重量感を楽しめる重さだろう。

定価185ドルのホルダーなので楽しみにしていたが、見た目は期待したほどでもなかった。仕上げが荒いなぁというのが第一印象で、トップキャップの裏側なんかは切り出した後が思いっきり残っているので、期待していたぶん落胆は大きかった。実用品に芸術性は求めていないとはいえ、見えないところももう少しきれいに仕上げた方がいいんじゃない?という気持ちにはなる。

細かいところはイマイチ感あふれるのだけど、全体的なフォルムは無駄がなくシンプルだながらも存在感のある仕上がりで気に入っている。特にヘッドキャップの流線形の丸みは非常にエレガントで女性的でもある。厚みもあるので力強さもあり、見ていて飽きないセクシーなホルダーだ。

Kronosハンドルの方はイマイチ。ステンレス製の割に妙に頼りない感じする上、仕上がりが微妙過ぎる。箱から開けた時は「なんだか汚いな」と思った。RazoRockあたりの廉価ハンドルの方が安い分、まだマシに思える。WeberやiKonのB級品のがキレイだと思い、
手持ちのハンドルに変えてみたが、それはそれで全体的な見た目がしっくりしないので、Kronosハンドルを使い続けている。

使い心地

見た目は散々な感じで書いたが、使い心地は価格相応の素晴らしい使い心地だ。AC系の片刃の中では当たりが弱い方で、両刃の感覚だとややアグレッシブというところだろう。肌への当たりは少し強めではあるが、スムーズでスイスイと剃ることができる。RazoRockのHawkあたりでは比較にならないくらい心地よく使える。

肌への当たりだけで比較するとColonialのGeneralと同じくらいに感じた。Mongooseよりは少しアグレッシブじゃないかと思う。スムーズさはMongooseと同じくらいかな。手持ちの中ではあまり競合するようなことはなかった。

AC系の片刃らしい剃り心地は失っておらず、広範囲を一気に剃るような感覚も感じることができる。使ってみるとヘッドは意外とコンパクトに感じ、細かいところも剃りやすい。とはいえ、幅広なAC片刃なのであご周りや鼻下は右半分、左半分を使うような使い方にならざるを得ないので、コンパクトさというのはAC片刃では意味をなさないように思う。

肌を痛めることも、剃り残すこともなくスムーズに細かいところまで剃れるので、使い心地にはとても満足している。ここらへんは流石、高級ホルダーである。

まとめ

箱を開けた時は半額とはいえ仕上がりの微妙さに落胆したものの、使い心地は最高によかったので結果としては満足している。まぁ、半額だったので仕上がりの部分は気持ちの折り合いがついたのかもしれず、そこらへんは何とも言えないのだけど、使い心地だけで185ドル分の価値はあるんじゃないかと思う。

ATTはいろいろな製品があるけど、仕上がりにこだわるならサテンフィニッシュやミラーフィニッシュが選べるWINDSORラインの方がいいだろう。ATTのサイトでも旧ラインは値引きしているので、おそらく主軸はWINDSORになるような気がする。

ステンレスだから高級という図式ではなくなったので、メーカーの中の人もいろいろ大変だと思いますね。


Above The Tie SE1 /w Kronos ハンドル

185 USD
8.7

使いやすさ

9.5/10

デザイン

9.0/10

快適さ

9.5/10

深剃りのしやすさ

9.5/10

価格

6.0/10

Pros

  • スムーズに深剃りできる
  • 全体として使いやすい
  • ステンレス製で丈夫

Cons

  • コスメティックな仕上げが価格の割によくない
  • 価格としては手が出しにくい

コメント

  1. Yuji Kaneko より:

    Above The Tie SE1のレビューを日本語で見られるとは思ってもみませんでした。ので、ちょっと吃驚。当方はこれを使い始めて丸1年になります。The Connaught Shavingでバーゲン価格で購入しました。価格(送料込み)115BP=16,600円(当時のレート)でした(現在なら、14,700円!)。よい買い物であったと思っております。

    使用感については、概ねあなた様と同じです。ただし、替え刃は入手可能な国産品5種を試してみました。結果は、Schick Proline P-20長刃>CAPTAIN TITAN MILD 20>CAPTAIN TITAN MILD PROTOUCH MG>FEATHER PROGUARD15>FEATHER PROFESSIONALというところです。FEATHERは当方の肌には鋭すぎると感じます。両刃のHi-Stainlessについても言えますが・・・

    記事を拝読出来て楽しうございました。

    • suzuki より:

      Yuji Kanekoさん、こんにちは。
      返信できず申し訳ありません。 

      ATT SE1はいいホルダーですね。
      私もSchick ProlineからFeather Professional Bladeに乗り換えてみたものの、
      少し当たりが強すぎるかなと思っています。
      1年くらい前はそこまで強いと感じなかったのですが。
      替刃は半年離れると、前とは全然違う印象になるので不思議なものです。