
春のAbove The Tie祭りかどうかはわからないが、Above The Tie(以下、ATT)のベースプレートばかりを買っている気がする。Maggard Razorsで割引をしていたオープンコームAC片刃のSE2を買ってしまった。在庫ラスト1つだったので、つい勢いでポチってしまった。Maggard Razorsでクリアランス価格だし、公式では入荷がないしでClassicシリーズのディスコン感が溢れているというのもある。ディスコンになると入手困難になるので、買ってしまおうというわけである。
以前、ソリッドバーのSE1は購入しており、今回はそのオープンコーム版ということになる。スラントのオープンコームであるS2と同様、購入したのはベースプレートのみだ。送料込みで56ドルくらいだったので、まぁまぁお得な価格ではないかと思う。
見た目
SE2はアーティストクラブ系の替刃を使用するホルダーである。今ではそれほど珍しいものではなくなったが、それでも種類は少ない。両刃カミソリよりも幅が広くて、肉厚でシャープな刃が特徴だろう。AC系の片刃はブレードギャップ的には両刃と同じでも2段階くらいアグレッシブに感じる。
ATT公式によるとSE2のブレードギャップは0.61mmでSE1と変わらないものの、アグレッシブさは8 – Above Aggressiveと表記されている。SE1は6 – Regular / Averageなので、オープンコームというだけで2段階高い。S1とS2はそれほど変わらないので、「オープンコームというだけでそんなに変わるだろうか」と不思議に思っていた。
届いたものを触ってみると、コームがチクチクとかなり指に食い込んできた。ATTのオープンコームはS2しかないが、S2と比べて食い込み加減はSE2の方が強く感じた。公式サイトにあったAbove Aggressiveはまんざら嘘でもなさそうだ。
素材はステンレスで仕上げはBrushed Matteなので、特別美しいというわけではない。作り自体はしっかりしていてMADE IN USAの刻印が入っている。ベースプレートだけでもしっかりとした重みを感じるので、期待感が高まった。
AC系の片刃だと奥行きがなく細いのもあるが、SE2は奥行きは広めである。厚みもありしっかりとしている。ここらへんはSE1と変わらないが、オープンコームなせいかSE2の方がしっかりとした印象を受けた。オープンコームというだけで見た目の印象はかなり違いが出る。




使い心地
SE2はSE1に比べてかなりアグレッシブに感じる。ブレードギャップは同じなのにオープンコームというだけでここまで差が出るとは思わなかった。替刃はシックのプロラインを使ったのだが、コームが食い込む感じが強く、刃が肌によく当たる。アグレッシブさとしては強めだが、不快感は感じない。「しっかりと当たる」という感じだろう。
SE1と比べると、2段階分くらいはアグレッシブに感じるので、公式サイトの記載通りの感覚で間違いはない。手持ちのオープンコームAC片刃はRazoRock Hawk OCしかないので、これと比べるしかないのだが、アグレッシブさは同じかSE2がほんの少し上だと感じた。Hawk OCはコームの本数が少ないので、肌に当てた感触はかなり違う。
当たりは強めではあるが、肌への負担は少ない。アルムはやや沁みるくらいで、両刃ホルダーでもこのくらいのアグレッシブさになると同じくらいは沁みる。替刃をチタンマイルドにしたら、剃り終わった後に肌がつっぱったので、自分にはプロラインの方が合っている。
オーソドックスなヘッドなので、使いやすさも良い。替刃が幅広なので細かい部分はAC片刃特有の使い方に慣れる必要があるが、基本的には両刃カミソリと同じ使い勝手で使うことができる。ハンドルとヘッドの重量バランスが良く自然に使える。
いい感じにアグレッシブなので、3パスでBBSまで持っていける。タッチアップは刃が届きにくい場所だけで十分だろう。AC片刃はどんなホルダーもそんなにタッチアップはいらないのだが、SE2はさらに手間がかからない。じっくりと攻めたければSE1、さっと終わらせたかったらSE2のような棲み分けでもいいかもしれない。
まとめ
スラントオープンコームのS2はS1とそれほど違いが感じられなかったので、あまり期待していなかったのだが、いい意味で予想を裏切られた。おそらくクリアランスセールでなければ買っていなかった。たまたま縁があったのだろう。
おそらくAC片刃を買ったのは1年ぶりだ。AC片刃はGilletteのヴィンテージがないので、それほど買う機会がないが、少しずつ買い足していたら今回のSE2で10個目になった。ようやく10個とも思うし、やっと10個とも思う。まぁ、種類自体が少ないというのもあるが。
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