今回はPhoenix Artisan Accoutrements(以下、PAA)のシェービングソープとアフターシェーブを紹介する。
PAAはアメリカの職人系ソープで、やたらとベイラムのラインナップが多いメーカーだ。ソープやアフターシェーブだけでなく、ホルダーも作っている。ホルダーの方はヴィンテージの復刻版が多い。
ファンが多い印象があるのだが、興味がある香りがCAVENDISH以外になく、ズルズルと後回しにしていた。FineのAmerican Blendを使い終えたので、CaDと一緒に買ったのだ。CaDの方は別の機会に書こうと思う。今回はCAVENDISHだ。
シェービングソープ
PAAのシェービングソープは意外にも獣脂ベースではなく、植物油ベースのヴィーガンソープである。獣脂っぽいイメージでいたので、買ってからヴィーガンソープだと気付いた。個人的にはどっちでもいいので、単なる勘違いをしていただけだ。
柔らかめのソープで泡立ちはすこぶる良いが、水が多めだと泡が緩くなりそうなので、ブラシの水気は少な目で使っている。出来上がる泡はもっちりとしており、獣脂のソープのような泡だ。
カミソリの刃もなめらかみ滑り、肌の保護力も高い。今まで使ってきたソープの中でもトップクラスの使い心地で、毎日でも使いたいソープである。
懸念点としてはソープ自体が柔らかいことで、柔らかいソープは水気を吸うとグズグズに溶けてしまうことだ(RazoRockのMudder Fockerは管理が悪く、シェービングクリームのようになってしまった)。使用後はよく乾燥させるか、ティースプーンで使う分だけ取って、シェービングボウルで泡立てた方がいいだろう。
アフターシェーブ
アフターシェーブの方も優秀で、保湿性がアルコールベースの割に高めであるが、乾燥する時期はアフターシェーブ単体での保湿は難しいだろう。肌への刺激が少なめなのもいい。使っていて肌がビリビリするようなことはないが、ここらへんはシェービングの仕上がりによって左右されるところだ。
メントールは入っているようだが、それほど強くない。メントールが苦手なので、個人的にはありがたいのだが、好きな人には物足りないと思う。その他にはローズウォーター、アロエベラとグリセリンが入っている。
PAAのアフターシェーブは保湿やシェービング後のケアというよりは、コロンとしての役割の方が大きいように思う。香りの持続性が長く、夕方前くらいまで香りが続く。香りの強さはアフターシェーブにしては強めだとは思うが、所詮はアフターシェーブなのでEDTよりは弱い。多少つけすぎても「香水を頭からかぶってきたの?」みたいなことにはならないと思う。
香り
香りは期待通り、たいへんよかった。タバコ葉をベースにしたアロマティックな香りにバニラの甘い香りが乗ってくる。パイプタバコを開けた時の芳しいタバコ葉の香りで、個人的にはとても心が躍る香りだ。
タバコの香りというと、シガレットの燃焼材(手っ取り早く言うと火薬)を燃やした臭いを連想する人が多いようだが、シガレットは効率よく煙を吸い込むためだけの悪魔的な発明品だ。本来はニコチンやタールを摂取する嗜好品ではなく、香りを楽しむ嗜好品である。燃やして吸い込まなくても香りはわかるので、葉巻やパイプタバコを扱っているタバコ店に行くと、CAVENDISHの香りを体験できると思う。
そういったタバコ本来の香りが苦手な人は、CAVENDISHは手を出さない方が無難だろう。
まとめ
今まで買ったシェービングソープの香りで、確実にトップ3に入る。普段だと気に入ると頻繁に使うのだが、今回は気に入りすぎて使うのがもったいない気になってしまい、使用頻度がやたらと少ない。もう少し早めに買っておけばよかったと思っている。
いっそのことEDP(香水)も買ってしまおうかと思ったが、それは少しやり過ぎな気がしたのでやめた。
秋冬の香りなので、なるべく積極的に使っていきたい。
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