Above The Tie: X1 Single Edge Slant

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Above The Tie(以下、ATT)ばかり買っている。現行ホルダーだと、スラントや片刃に寄りがちなのでATTに行ってしまうのかもしれない。そんなATTからX1が発売された。X1はスラントのAC系片刃である。「スラントいいでしょ。片刃いいでしょ。合わせればもっといいでしょ」という純粋な足し算はMADE IN USA全開の発想。素晴らしい。買うしかない。というわけで、プレオーダーまでして買ったのである。

買ったのはヘッドのみで、仕上げも一番安いものにした。ミラー仕上げは写真が撮りにくいから嫌なのと、扱いに気を使うのも嫌だ。美術品ではなく実用品を買っているので、仕上げにはこだわりがない。

見た目

届いたX1を見てみると、予想通りS1とSE1が合体したものがX1であった。予想外のことは何もなく、完全に予想通り。ATTの片刃とスラントを持っている人なら、容易に想像できるだろう。素材はステンレスだ。

スラントとして見ると、斜傾は緩めである。ガッツリ斜めというわけではない。AC替刃を使うので、替刃を捻って斜めにするような芸当ができるはずもない。ベースプレートの刃を乗せる土台を斜めになるよう作るしかなく、それほど斜傾をつけられないのだろう。iKon B1 Slantと比べると、スラントと言えばスラントくらいの斜め感である。ATTのスラントは全てこんな感時で、両刃スラントを使っていて不満はないので、おそらくX1も不満にはならなそうだ。

片刃のヘッドは細身が主流のように思えるが、X1は両刃くらいの奥行きがあり太身である。「この奥行きいるの?」という気がするが、SE1/SE2から踏襲されているものだろう。個人的にはどちらでもいいが、小回り感だと細身、安定感だと太身でトレードオフになっているような気がする。

公式サイトによると、ブレードギャップは0.55mm、重さは46gである。SE1/SE2のブレードギャップは0.61mmなので、X1の方がブレードギャップが小さい。スペック的にはSE1よりもマイルドということになるが、スラントなので体感は変わるだろう。ベースプレートが盛られている分、X1の方が重い。重さはステンレスというだけで重量感が出るので、そこまでこだわっていない。

全体的な見た目は一番安いマット仕上げなので、無骨な感じで実用品という雰囲気だ。作り自体はしっかりしているので、良品というオーラが出ている。まぁ、100ドル以上出しているので、そう認知したいだけかもしれない。

よく見ると斜め
右側が少し高くなっている
トップキャップはX1専用でSE1/SE2のものは使えない

使い心地

肌に当てた感触は完全に片刃でスラントという感触は少ない。肌への当たりはマイルド〜ミディアムくらいで、ブレードギャップ0.55mmという数値にしては強めで当たりがいい。スムーズさもあり、かなり手軽に使える。SE1よりも肌への当たりは少なく、さらにスムーズだ。その割に深剃り具合はSE1と変わっておらず、スラントになることで、深剃り具合を変えることなくスムーズさだけが向上しているように感じる。

マイルド派としてはSE1よりもX1の方が好みである。クセでどうしても顎周りは追い込んでしまうので、よりマイルドに感じるX1の方が使い勝手がいい。逆に一撃で剃り上げたければ、X1は向いていないかもしれない。スラントが生きるのはシャープさなので、剃りの深さという面ではSE2に分がある。

替刃は貝印のチタンマイルドかシックのプロラインを使っている。SE1/SE2はチタンマイルドだとキツめというか、不快感があるので使っていないが、X1はチタンマイルドでも快適に使える。AC片刃は種類自体が少ないが、あまり替刃を選ばないのではないだろうか。

X1の場合、替刃が異様に長く使える。普段は2回で交換しているが、X1だと1週間(7回)は交換しなくても普通に使えた。スラントなので替刃がナマクラになっても、それなりのシャープ感が保てるのかもしれない。どれくらい長く使えるのか試そうと思ったが、1週間で自分が根負けしてしまった。もしかしたらもう少し長く使えるかもしれない。

スラントだが斜傾が緩いので、特有の使いにくさは感じない。普通の片刃と同じように使えるので、あまり身構える必要もないだろう。その分、スラント特有の感触は少ないので、物足りないと感じるかもしれない。

まとめ

片刃のスラントということで飛びついたX1は予想通りの使いやすさであった。スラント感の少なさは、ATTなのでこういうものだと最初から織り込み済みである。好みもあるが、今ならSE1買うよりX1買った方が幸せなんじゃないかと思う。SE2はアグレッシブさにかなり違いがあるので、どちらが良いとか悪いとかは言えない。

スラントに期待を大きくすると、失望感が強いので、一部の特徴に注目するよりはトータルで見た方がいいことは確かだ。

手持ちの片刃と比べると、MongooseとGeneralに次いでX1くらいで気に入っている。今回は普段よりも満足度の高い買い物だった。

Above The Tie X1

8.9

使いやすさ

10.0/10

デザイン

9.5/10

快適さ

9.5/10

深剃りのしやすさ

9.5/10

価格

6.0/10

Pros

  • スムーズに深剃りできる
  • シャープに剃れる
  • 替刃が長く使える

Cons

  • スラント感が少なめ
  • 価格が高い

コメント

  1. TIC より:

    はじめまして。最近クラシックシェービングを始めたものです。
    いくつかブログを拝見したのですが、シェービングソープの類は海外から取り寄せているのでしょうか?またその場合送料はどのくらいかかりますか?まったくの初心者なので、教えてくださると幸いです。

    • suzuki より:

      TICさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      シェービングソープ類は海外から買っています。
      送料は国や買う量によって違いますが、
      イギリスやユーロであれば1000〜2000円くらい、アメリカだったら2000〜2700円くらいが目安ではないでしょうか。
      Maggard Razorsはアメリカのショップですが、トラッキングなしの安いオプションがあります。

      カートに入れてみて決済寸前まで進めれば詳しい送料出るはずですよ。

  2. TIC より:

    お返事ありがとうございます。

    もう一つ質問ですが、アフターシェーブはアルコールが入ってるものは税関で止められて輸入できないみたいな記事を見たことがあるのですが、どうでしょうか?

    • suzuki より:

      TICさん、こんにちは。

      アルコールが入ったアフターシェーブは航空危険物なので、ショップが発送してくれないです。
      Italian Barberは発送していますが、Shipping Policyに「アフターシェーブは税関などで没収される可能性があるので、自己責任で」と明記しています。
      今まで止められたことはありませんが、アルコール入りのアフターシェーブは自己責任で注文するのが原則ですね。
      輸入や輸出が禁止されているわけではないので、違法とかそういう類ではありません。