クラシックシェービングが人生を変える

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35歳の時に「もうすぐ40歳になるじゃん。中年じゃん。おっさんじゃん。子供の頃に想像した立派な大人になれんのかよ?」と不安になった。子供の頃、大人はなんとなく立派に見えた。いずれ自分も大人になることはなんとなく想像できたが、具体的にどうやったらなれるのかわからないまま、大人になってしまった。これはいかん、となんとなく不安になったのだ。

自分が子供の頃に想像した大人になれているか

不安になったところで、解決方法はさっぱりわからん。子供の頃に想像した大人が漠然としているからだ。ゆえに不安も漠然とする。そもそも、子供の頃に想像した大人とやらがさっぱり思い出せない。それはどこから来たのか?モデルはあるのか?ない。どこからも来ていない。

幼い頃に両親が離婚しているので父親がいない。最も身近な男性の大人というものがいなかったので、モデルがあるわけないのだ。父親の内面に触れたことがないので、子供の頃に想像した大人は外面の繋ぎ合わせでできているはずなのだ。そこらへんの大人の上っ面を繋ぎ合わせたのが理想とする大人であり、お手本なのだ。

そこまでわかれば話は早い。外見から入ればいいのである。外見が子供の頃に想像した大人という要求事項を満たせば、不安は解消され、過去の自分への回答となる。

憧れた大人になる

不安解消への道筋は見えたものの、一歩が踏み出せない。ゴールはあるが道がない時は直感に任せるしかない。とりあえず、踏み出すのだ。道があるのは前ではなく後である。道が重要なのではなくゴールが重要なのだ。

3秒ほど考えた末、出したのがクラシックシェービングだった。だって、細かな泡をブラシで塗りたくって、ピカピカのホルダーで小器用に髭を剃っていたらかっこいいでしょう?うん、きっとかっこいいに違いない。

クラシックシェービングを始めた理由はものすごく浅いのだが、これは子供の頃の自分に対するアンサーの1つである。

こうして、よくわからず踏み出した一歩は徐々に変化をしていく。髭をかっこよく剃っても、服装はどうですか?持ち物はどうですか?社会的な地位はそれに見合ってますか?他にもすることがあるんじゃないですか?

たった1つの変化が波及していった。35歳の頃に不安を感じてなんとなく始めたクラシックシェービングは、大きな価値観の変化を与えてくれた。服装には気を使い、持ち物はこだわり抜いて選ぶようになったし、キャリアアップを目指すような野心を持つようになった。

北京で蝶が飛ぶとニューヨークで雨が降る

どうやらクラシックシェービングは人生を変えたらしい。不思議な話である。だが、些細な出来事が結果を変えること自体は珍しいことではない。

そんなこんなで、去年の12月で40歳になった。5年って早いなぁと思うと同時に色々なことに取り組めたように思う。予定していたことも予定していなかったこともある。まぁ、5年後のことなんてわからんからね。もしかしたら世界が滅んでるかもしれないし、ありとあらゆる不幸がなくなっているかもしれない。

5年後に世界がどうなるかは誰にもわからない。5年後にどういう人生を送っているのかもわからない。何が人を変えるのかなんてわからないが、変化が変化を呼ぶことだけは体験できた。これは貴重な体験だと言える。

次の5年

さて、目下のテーマは外見から別のことへとシフトしている。健康と資産形成である。この5年で目に見える部分を重点的に取り組んできた。次の5年は目に見えないところに取り組みたい。

40歳ともなると、中世ならそろそろ死ぬ年齢である。現代の医療なり栄養学なりの科学によって、平均寿命は80歳以上に伸びている。今後も伸びるだろう。言い換えると、寿命の伸び方は科学の賜物であり、ヒト科のポテンシャルだけでは80歳まで生きられないことを示唆している。40歳あたりでそろそろヒト科のポテンシャルには限界が来ると思うのだ。

今まではヒト科のポテンシャルだけで生きてきたが、今後は事情が変わってくる。戦略的に生物としての生き方をしないと、80歳までは生存できないことになる。生存できないことで、わけもわからず払ってきた年金は受け取れず、払い損ということになってしまう。若者には悪いが、長生きしないと年金を最大限に享受できないのである。

具体的に何歳まで生きるのかというと、91歳以上である。年金受給の繰り下げ制度を使うと、75歳からの年金受給で65歳受給と比べて月額給付が84%増額になる。年金MAX受給のため、75歳で受給開始にすると、70歳受給との損益分岐点は91歳である。あと51年、ヒト科の限界を超え続けなければならない。

そのためには健康を維持せざるを得ず、定年後に食っていくだけの資産を作らないといけないのだ。年金制度との対決である。91歳まで生き延びたら、大勝利といえる。この大勝利を収めるべく、これからの5年を過ごそうと思うのだ。

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