これからクラシックシェービングを始める人に「はい、海外サイトで買ってくださいね」というのは若干不親切なように思う。海外サイトの方が安いし、種類は豊富だし、届くまで日数がかかること以外はメリットしかないというのは真実である一方、心理的なハードルが若干高いのではないか。
というわけで、今回はAmazonで買えるグッズだけでクラシックシェービングをしてみようと思う。シェービングソープとブラシはPRORASO、両刃カミソリはMuhle R89である。クラシックシェービングを始めて日が浅いうちから海外のアルチザンソープに手を出したので、あまりマスプロダクトに馴染みがない。ここはあえてマスプロダクトの王道であるPRORASOでやってみようと思う。Muhleはもはや説明不要じゃないかと思う。
シェービングソープとブラシ(ポロラーソ)
PRORASOの読み方は「ポロラーソ」らしい。イタリアのシェービングブランドで何年か前に日本でも気軽に手に入るようになった。歯磨き粉のMARVISを取り扱っている会社が輸入している。定番中の定番だと言っていい。
緑、白、赤の色違いでバリエーションがあり、それぞれ違いがある。今回は敏感肌用の白を使う。メントール強めが好きな人は緑がいいだろう。メントールは苦手なので白にした。
シェービングソープ
今回はシェービングソープではなく、シェービングクリームである。クリームがあるなら、わざわざ固形のソープじゃなくてよくない?と思うのと、せっかくなので時短シェービングのためクリームにした。
あと、デカいチューブなのがいい。妙にデカいチューブは一気に海外感が出て、日常が非日常に変わるのである。これが歯磨き粉サイズだと海外感というか、非日常感が出てこない。
シェービングクリームは初心者でも扱いやすく、クラシックシェービングを手軽に楽しむにはおすすめ。
ブラシ
ブラシは豚毛である。使い始めは毛が硬いが、使い込むうちに柔らかくなるのが豚毛の特徴だ。あまりブラシにこだわりないので、何でもいいといえば何でもいいのだが、使い込むうちに自分のものとなっていくのがいい。お気に入りのブラシはクラシックシェービングを始めた頃から使っているSemogue 830だったりする。新品のSemogue 830ではなく、今まで使っていたSemogue 830が好きなのだ。
使い込みが形となり、肌への感触が進化する点だと初めてのブラシはシルバーチップのアナグマ毛よりも豚毛の方が楽しいのではないだろうか。
豚毛のブラシは久しぶりに買ったが、何だか大きいような気がする。ハンドルが少し大きい。底を見るとOMEGAと書いてあったので、ブラシ自体はOMEGAが作っているようだ。OMEGAもシェービングブラシでは有名なメーカーである。
ブラシから獣の匂いはそんなにしなかったが、一応ブレイクインはやっておいた。
両刃カミソリ(ミューレ)
定番中の定番ともいえるミューレのR89を使う。ファーストチョイスとして必ず候補に上がるであろう両刃ホルダーである。両刃カミソリを使い始めてずいぶん経ったが、未だにスタンダードなホルダーとして君臨している。
メルクールの43Cも同様にスタンダードとして君臨しているが、手に入りやすさというか、今の価格的にはミューレの方が優位にあると思う。43Cはずいぶん値上がりした感じがする。メルクールは日本橋の木屋が扱っているが、全体的に「こんなに高かったかな?」と思う。43Cに1万円出すのなら、相対的にアジャスタブルの570の方が魅力が高いように感じる。
過去にR89と43Cの比較レビューを書いたけど、今ならよほどの理由がない限りR89の方がいいのではないかと思う。そんなわけで、今回はメルクールの43CではなくミューレのR89を使うことにした。
替刃は自分に合っているGillette Platinumにした。
実際に使ってみる
シェービングブラシはブレイクインが足りなかったのか、泡を吸ってしまい、使っている最中に泡が足りなくなってしまった。新品の天然毛、しかも豚毛は久しぶりなのでもう少し使い込む必要がありそうだ。ブレイクインは普段の手順をけっこう端折ってしまった。
新品ということもあり、ブラシはやや硬めだがチクチクするようなことはなく快適に使えた。ある程度使い込むと、ブラシの毛が広がって柔らかくなるはずだ。
ハンドルが太いので、手の大きさによっては持ちづらい人がいるかもしれない。
クリームは思っていたよりもよかった。マスプロダクトなシェービングソープやクリームは避ける傾向にあったが、避けるほどでもないかと思った。泡立ちや滑りは王道なだけあってとてもよかった。剃っている最中に少しだけ肌がつっぱる感覚があったが、シェービングに影響を与えるほどのものではないので許容範囲だろう。
今回はシェービングクリームということもあり、手早くラザリングが終わるので少し寝坊した時とかはこのシェービングクリームの出番になりそうだ。
香りはグリーンティーとのことだが、何だかハーブっぽい香りで、少し独特な感じがした。普段アルチザンのシェービングソープに慣れると少し作り物っぽい香りなのが気になる。香りを楽しむというのもクラシックシェービングの醍醐味のひとつなので、少し物足りなく感じる。
値段や手軽さを考えるとコスパがいい。送料込みで2000円程度なら優秀ではないかと思う。
ミューレのR89はやはり快適に剃れる。詳細はこちらの記事で紹介している。
まとめ
今回はAmazonで買えるものに絞ってクラシックシェービングを試してみた。相変わらず買えるものは少ないが、必要最低限のものは揃うことがわかった。
これからクラシックシェービングを始めてみようという人はAmazonで道具を揃えてみるのもいいかもしれない。
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